介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
生活支援技術 問3

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 生活支援技術 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

心身機能が低下した高齢者の住環境の改善に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 玄関から道路までは、コンクリートから砂利敷きにする。
  • 扉の取っ手は、レバーハンドルから丸いドアノブにする。
  • 階段の足が乗る板と板の先端部分は、反対色から同系色にする。
  • 車いすを使用する居室の床は、畳から板製床材(フローリング)にする。
  • 浴槽は、和洋折衷式から洋式にする。

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この過去問の解説 (2件)

01

住環境についての問いですが、ポイントは心身機能の低下した状態をどれだけイメージできるかです。

筋力の低下、関節の痛み、可動域の縮小、視力の低下、色覚や遠近感の低下など起こりうる心身の変化を考慮して考えましょう。

選択肢1. 玄関から道路までは、コンクリートから砂利敷きにする。

不正解です。

砂利道は歩行が不安定になったり、足をとられる可能性があるため不適切です。

選択肢2. 扉の取っ手は、レバーハンドルから丸いドアノブにする。

不正解です。

丸いドアノブは、関節の痛みや握力が低下した高齢者には使いにくくなります。

選択肢3. 階段の足が乗る板と板の先端部分は、反対色から同系色にする。

不正解です。

先端部分を同系色にすると段差が見えづらく、踏み外しやつまずきの原因になります。

選択肢4. 車いすを使用する居室の床は、畳から板製床材(フローリング)にする。

正解です。

畳での車椅子の操作は、重みで沈んでしまい、スムーズに動かすことができません。

車いすが安定して操作できるフローリングが適切です。

選択肢5. 浴槽は、和洋折衷式から洋式にする。

不正解です。

洋式の浴槽は、長く浅い形状で寝る姿勢で入浴する形になります。

そのため、浴槽内で身体を安定させることが難しいため、不適切です。

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02

心身機能の低下は筋力や体力、精神の働きや内臓の働きなどをいいます。

心身機能が低下することで、歩行時のふらつきや、食欲低下、日常での動作(服の着脱や箸の使用など)が困難になるといった症状がみられるようになります。

心身機能の低下と介護に適した住環境について理解し、正解を選んでいきましょう。

選択肢1. 玄関から道路までは、コンクリートから砂利敷きにする。

不正解です。

心身機能の低下から歩行時のふらつきや転倒しやすくなるといった症状がみられるようになります。

砂利敷きにすると余計に足元が不安定になるので不適切です。

選択肢2. 扉の取っ手は、レバーハンドルから丸いドアノブにする。

不正解です。

扉の取っ手は握って回す丸いドアノブよりも、レバーを下げることで扉が開くレバーハンドルのほうが使いやすく適切です。

高齢になることで使いやすい家具を選ぶことは心身の負担軽減にもつながります。

選択肢3. 階段の足が乗る板と板の先端部分は、反対色から同系色にする。

不正解です。

階段の足が乗る板と先端部分は同じような色ではなく反対色にしたほうが高さが認識しやすくなり、つまずきや踏み外しを防止することができます。

選択肢4. 車いすを使用する居室の床は、畳から板製床材(フローリング)にする。

正解です。

い草を編み込んで作られる畳はタイヤの動きに向かず、繰り替えし走行することで畳の表面がボロボロになってしまうことから更に走行が困難になります。車椅子を使用する居室は畳から板製床材(フローリング)にすることが適切です。

選択肢5. 浴槽は、和洋折衷式から洋式にする。

不正解です。

和洋折衷式の浴槽は、深さと長さを兼ね備えたもので背中部分に傾斜あるので自然な体勢で肩まで浸かれるようになっています。

洋式の浴槽は、長く浅い形になっており寝る姿勢で入浴できるようになっています。

洋式は体勢が不安定になりやすいため高齢者の住環境に適しているとはいえません。

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