介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
生活支援技術 問11

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 生活支援技術 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、血液透析を受けている利用者への食事の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 塩分の多い食品をとるように勧める。
  • ゆでこぼした野菜をとるように勧める。
  • 乳製品を多くとるように勧める。
  • 水分を多くとるように勧める。
  • 魚や肉を使った料理を多くとるように勧める。

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この過去問の解説 (2件)

01

血液透析を受けている利用者ということから、腎臓機能が低下によりカリウムが溜まりやすい状態ということが分かります。

そのため、カリウムをはじめ、タンパク質、塩分、水分など摂取制限が必要ということを前提に回答する必要があります。

選択肢1. 塩分の多い食品をとるように勧める。

不正解です。

透析を受けている方は塩分の摂取を制限する必要があります。

塩分が体内に溜まると、身体の中で水分と結びつき、血圧の上昇やむくみなど、血管や心臓に負担をかけてしまう恐れがあります。

選択肢2. ゆでこぼした野菜をとるように勧める。

正解です。

生野菜はカリウムが多いため避けますが、ゆでこぼすことでカリウムの量を減らすことができます。

 

腎臓の機能が低下していと、余分なカリウムを尿中に捨てることができなくなり、高カリウム血症から不整脈などを引き起こしてしまう恐れがあります。

選択肢3. 乳製品を多くとるように勧める。

不正解です。

乳製品はリンが多く含まれています。

腎臓の機能が低下すると尿にリンを排泄できなくなり、血液中のリンが上昇してしまいます。

そのことにより、血液中のカルシウムバランスをとるため骨のカルシウムが血液の中に溶けだしてしまい、動脈硬化など引き起こす恐れがあります。

選択肢4. 水分を多くとるように勧める。

不正解です。

透析を受けている方は水分を制限する必要があります。

腎臓の機能が低下すると、尿が出にくくなります。

水分を摂りすぎてしまうと、体内に余分な水分がたまり、血圧上昇やむくみなど、心臓や血管に負担をかけてしまう恐れがあります。

選択肢5. 魚や肉を使った料理を多くとるように勧める。

不正解です。

透析を受けている方はタンパク質の摂取を制限する必要があります。

腎臓の機能が低下していると、タンパク質が代謝してできる老廃物が腎臓から排泄されずに体内に蓄積され、腎機能の悪化につながる恐れがあります。

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02

血液透析は血液を体外で循環させる治療法です。

腎臓での血液から老廃物や余分な水分を取り除く働きを人工的に行うものですが、透析中は服薬や食事管理も治療の一部とされるので介助する側も注意が必要です。

選択肢1. 塩分の多い食品をとるように勧める。

不正解です。

食品は塩分の少ないもの、水分量の少ないものを摂るように勧めます。

選択肢2. ゆでこぼした野菜をとるように勧める。

正解です。

食品ではカリウムの摂りすぎにも気を付けなければいけません。

野菜はゆでることでカリウムが溶け出るので、生野菜よりもゆでこぼした野菜を勧めるようにします。

選択肢3. 乳製品を多くとるように勧める。

不正解です。

乳製品にはリンが多く含まれるため摂取を控えるようします。

リンは人体に欠かせないミネラルの一種ですが、腎臓の機能が低下すると余分なリンが排出できなくなるためです。

選択肢4. 水分を多くとるように勧める。

不正解です。

透析を受ける上で水分管理はとても重要です。体内の不要な水分の排出が十分にできないので、過剰な水分摂取は禁物で、水分摂取量の目安は医師の指示に従います。

選択肢5. 魚や肉を使った料理を多くとるように勧める。

不正解です。

魚や肉はカリウム・リンを含むため、部位や種類によって含まれる量を確認して摂りすぎないよう注意します。

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