介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
総合問題 問1

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 総合問題 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。
ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。
心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。
妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。

Cさんが八百屋でとった行動から考えられる状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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この過去問の解説 (2件)

01

前頭側頭型認知症の代表的な症状は初期からの人格の変化です。
具体的には以下のようになります。

◆脱抑制
社会のルールが分からなくなり、万引きなどの反社会的行動をとる
◆常同行動
毎日決まった時間に決まった行動をする
◆相貌失認
会話の流れとは関係のない言葉が繰り返される

選択肢1. 脱抑制

正解です。
脱抑制は理性のコントロールが難しくなり、怒りっぽくなったり、万引きなどの反社会的行動をとることです。
前頭側頭型認知症の代表的な症状です。

選択肢2. 記憶障害

不正解です。
前頭側頭型認知症では記憶障害はあまりみられません。
記憶障害としたら八百屋に行ったこと自体を忘れると考えられます。

選択肢3. 感情失禁

不正解です。
感情失禁は感情のコントロールができなくなり、激しく泣いたり怒ったりする症状です。
万引きなどの反社会的行動には繋がりません。

選択肢4. 見当識障害

不正解です。
見当識障害は時間や場所が分からなくなる症状のため、不適切です。
また、前頭側頭型認知症では見当識障害はあまりみられないという特徴があります。

選択肢5. 遂行機能障害

不正解です。
遂行機能障害は行動の順序を計画的に実行できなかったり、状況に応じた判断ができなくなる症状のため当てはまりません。

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02

前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の症状には、「社会性が欠如してしまうこと」があります。

そのため、お店の商品を勝手に持って帰ってしまったり、信号無視などのルール違反を犯してしまうことがあります。

選択肢1. 脱抑制

〇:脱抑制とは、「現在の思考、感情、外部刺激によって引き起こされる衝動的な行動」を意味します。

これは、前頭側頭型認知症の症状に当てはまります。

選択肢2. 記憶障害

×:記憶障害とは「自然と体が覚えている日常作業や仕事の作業を忘れてしまうこと」です。今回のケースには当てはまりません。

選択肢3. 感情失禁

×:感情失禁とは、「感情を上手にコントロールできずに涙が出たりする状態」のことを意味します。

選択肢4. 見当識障害

×:見当識障害とは「時間や場所など、自分が置かれている状況を正確に認識できなくなること」なので、今回のケースには当てはまりません。

選択肢5. 遂行機能障害

×:遂行機能障害とは、「同時に2つ以上の作業が出来ない」ことで、今回のケースには当てはまりません。

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