介護福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問116 (総合問題 問3)
問題文
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。
ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。
心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。
妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
その後、妻に外出を制限されたCさんは不穏となった。
困った妻が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、「八百屋に事情を話して事前にお金を渡して、Cさんが品物を持ち去ったときは、渡したお金から商品代金を支払うようにお願いしてはどうか」とアドバイスを受けた。
訪問介護員(ホームヘルパー)が意図したCさんへの関わりをICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に当てはめた記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。
ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。
心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。
妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
その後、妻に外出を制限されたCさんは不穏となった。
困った妻が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、「八百屋に事情を話して事前にお金を渡して、Cさんが品物を持ち去ったときは、渡したお金から商品代金を支払うようにお願いしてはどうか」とアドバイスを受けた。
訪問介護員(ホームヘルパー)が意図したCさんへの関わりをICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に当てはめた記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
介護福祉士試験 第36回(令和5年度) 問116(総合問題 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。
ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。
心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。
妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
その後、妻に外出を制限されたCさんは不穏となった。
困った妻が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、「八百屋に事情を話して事前にお金を渡して、Cさんが品物を持ち去ったときは、渡したお金から商品代金を支払うようにお願いしてはどうか」とアドバイスを受けた。
訪問介護員(ホームヘルパー)が意図したCさんへの関わりをICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に当てはめた記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。
ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。
心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。
妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
その後、妻に外出を制限されたCさんは不穏となった。
困った妻が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、「八百屋に事情を話して事前にお金を渡して、Cさんが品物を持ち去ったときは、渡したお金から商品代金を支払うようにお願いしてはどうか」とアドバイスを受けた。
訪問介護員(ホームヘルパー)が意図したCさんへの関わりをICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に当てはめた記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 個人因子への影響を意図して、健康状態に働きかける。
- 健康状態への影響を意図して、心身機能に働きかける。
- 活動への影響を意図して、身体構造に働きかける。
- 参加への影響を意図して、環境因子に働きかける。
- 環境因子への影響を意図して、個人因子に働きかける。
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この過去問の解説 (3件)
01
ICFの問題は必ずと言っていいほど出題されます。
ICFは利用者の何が制約・制限しているのかを見極めて、「できること」に焦点をあてた支援を行うことです。
基本的な部分を押さえておけば、それほど難問というわけではありません。
Cさんは、昔からよく八百屋に行っているということから、八百屋での会話や買い物(社会参加)に楽しい気持ちや喜びを感じていたと思われます。
不正解です。
八百屋での買い物は健康状態への働きかけではありません。
不正解です。
健康状態への影響を意図してはいません。
不正解です。
身体機能に問題はなく、不適切です。
正解です。
八百屋での買い物や会話は社会参加であり、八百屋という環境に働きかけ、事前にお金を渡すという提案をしています。
不正解です。
働きかけているのは八百屋という環境であり、Cさんという個人因子に対してではありません。
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02
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類) とは、人が生活する上で必要な「心、身体の健康状態」と「それを取り巻く環境」に対しての評価基準を決定した、世界共通の言語です。
健康状態は、「心身機能、構造」「活動」「参加」という生活機能によって決定され、それらは「環境因子」「個人因子」との関わりによって決定されます。
それぞれの言葉の理解と関係性について考えましょう。
×:個人因子とは、【個々の人が持つ生活背景や健康状態、それ以外の特徴】を表します。
「先にお金を渡す」という行為は、「個人因子:Cさんの持つ病気という弊害」の影響を意図していますが、「健康状態に働きかける」行為とは異なるため、適切ではありません。
×:「先にお金を渡す」という行為は、「Cさんの健康状態(病気という弊害)」への影響を意図していますが、「心身機能に働きかける」行為とは異なるため、適切ではありません。
×:「先にお金を渡す」という行為は、「万引きをしてしまう」というCさんの病気という弊害が生む活動への影響を意図していますが、「身体構造に働きかける」行為とは異なるため、適切ではありません。
〇:環境因子とは、【地域・社会など、その人を取り巻く生活環境】を表しています。
「先にお金を渡す」という行為は、Cさんが品物を持ち帰ってしまうと言う、「病気の弊害に伴う社会への参加」への影響を意図して、「代金を支払うことのできる状態を作っておく」ということなので、環境因子に当てはまると考えられます。
×:「先にお金を渡す」という行為は環境因子に当てはまりますが、個人因子=Cさんに働きかけは行っていないため、適切ではありません。
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03
ICFは障害や病気だけに注目せず、環境や社会の中で「できること」に焦点を当てて考えるものです。ICFは以下の6つの要素で成り立っています。
・健康状態
=前頭側頭型認知や誤嚥性肺炎などの障害や疾患
・心身機能・身体構造
=記憶力の低下や麻痺など脳や身体の働き
・活動
=歩行や商品購入などの日常生活での動作
・参加
=八百屋での買い物などの地域交流や、仕事などの社会的な関わりと役割
・環境因子
=バリアフリーなどの周囲の支援や環境
・個人因子
=年齢や性格や内面などの本人の特徴
訪問介護員の「八百屋に事情を話して事前にお金を渡して、Cさんが品物を持ち去ったときは、渡したお金から商品代金を支払うようにお願いしてはどうか」というアドバイスからICFの観点で見ていきましょう。
外出制限されたCさんが不穏になってしまったため、外出してもよい環境を作り八百屋(環境因子)に事情を伝え、活動を促す発言をしていると考えられます。
これをもとに設問を見ていきましょう。
×
健康状態への働きかけは記載されていません。
設問通りにする場合、訪問介護員は「本人の状態(個人因子)が気になるのであれば、病院を受診して薬をもらう(健康状態)のはどうか」などとアドバイスする必要があります。
×
心身機能への働きかけは記載されていません。
設問通りにする場合、訪問介護員は「Cさんの前頭葉認知症(健康状態)を理解するために、今後の生活への希望を聞く(心身機能)のはどうか」などとアドバイスする必要があります。
×
身体構造への働きかけは記載されていません。
設問通りにする場合、訪問介護員は「歩行(活動)を理学療法士に評価(身体構造)してもらったらどうか」などとアドバイスする必要があります。
〇
設問通り、訪問介護員のアドバイスは八百屋という「環境」に働きかけ、買い物という「参加」への影響を考えたアプローチです。
×
個人因子への働きかけは記載されていません。
この場合、「訪問介護員がCさんの傾聴(個人因子)と妻の傾聴(環境因子)を行う」こととなるため、本アプローチとは異なります。
今回の問題である「ICFの視点」は図解も作りましたので、良かったら参考程度に見て理解頂けたらと思います。
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