介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
総合問題 問7
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問題
介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 総合問題 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Eさん(34歳、女性、障害支援区分3)は、特別支援学校の高等部を卒業後、週2回、生活介護を利用しながら自宅で生活している。
Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ cerebral palsy)で不随意運動があり、首を振る動作が見られる。
食事は首の動きに合わせて、自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く、食事が終わると、「首が痛い、しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。
また、お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて、お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。
Eさんは、生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは、「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Eさんの食事の様子から、今後、引き起こされる可能性が高いと考えられる二次障害として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Eさん(34歳、女性、障害支援区分3)は、特別支援学校の高等部を卒業後、週2回、生活介護を利用しながら自宅で生活している。
Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ cerebral palsy)で不随意運動があり、首を振る動作が見られる。
食事は首の動きに合わせて、自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く、食事が終わると、「首が痛い、しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。
また、お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて、お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。
Eさんは、生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは、「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Eさんの食事の様子から、今後、引き起こされる可能性が高いと考えられる二次障害として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 変形性股関節症(coxarthrosis)
- 廃用症候群(disuse syndrome)
- 起立性低血圧(orthostatic hypotension)
- 脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう scoliosis)
- 頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう cervical spondylotic myelopathy)
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この過去問の解説 (2件)
01
それぞれの病気の要因と、Eさんの現在の状況の関係性を検討しましょう。
×:変形性股関節症(coxarthrosis)とは、脚の付け根にある股関節に痛みや可動域制限が現れる病気です。
Eさんの病歴である脳性麻痺や、首の不随意運動との関係性は低いため、適切ではありません。
×:廃用症候群(disuse syndrome)とは、身体を動かせないことにより、筋骨格系、呼吸器・循環器系、精神神経系などに障害が出る病気です。
Eさんは油絵教室に通っていることから、関連性は低いため、適切ではありません。
×:起立性低血圧(orthostatic hypotension)とは、立位をとった際に生じる過度の血圧低下である。
問題文に起立性低血圧を引き起こす要因がないため、今回の問いにおいては適切ではありません。
×:脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう scoliosis)とは、脊椎のねじれ(回旋)を伴った側弯であり、簡単にまっすぐに戻らなくなった状態です。
腰の痛みを伴う可能性がありますが、Eさんが横になる原因は首の痛みであるため、適切ではありません。
〇:頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)は、頚椎部(首のあたり)で脊髄が圧迫される病気です。
Eさんは首の不随意運動があり、首への影響が大きいと考えられるため、こちらが適切です。
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02
Eさんは「不随意運動で首を振る動作が見られる」「食事中は不随意運動が強い」ということから、頸椎に負担がかかり、二次障害として現れる可能性が考えられます。
その点に着眼して最適な回答を選び出しましょう。
不正解です。
変形性股関節症は何らかの原因で股関節の軟骨がすり減って変性し、股関節が変形してしまう病気です。
股関節周囲の痛みや可動域が狭くなるなどの症状がでます。
首を振る不随運動のあるEさんの二次障害として不適切です。
廃用症候群は長期に渡り、運動をしない状態が続いたり、寝たきりの状態が続くことにより、さまざまな機能が低下していく症状をまとめて指したものです。
関節の拘縮、筋萎縮、心肺機能の低下、褥瘡などの身体的なものから、精神機能の低下など幅広い症状がみられます。
Eさんは、生活介護を利用しながらも生活介護事業所に通うなどして生活がしています。
Eさんの二次障害として不適切です。
不正解です。
起立性低血圧は急に立ち上がったり時などに血圧が低下し、立ちくらみをおこす状態です。
立ちくらみをするという情報がなく、首を振る不随運動のあるEさんの二次障害として不適切です。
不正解です。
脊柱が、左右に曲がっている状態を脊柱側弯症といいます。
先天性のものや、神経や筋肉の病気が原因で起こり得ますが、痛みがあるとしたら背中や腰の痛みが主になります。
「首が痛い、しびれる」ということからも首を振る不随運動からくる二次障害を考えるべきです。
正解です。
頚椎症性脊髄症椎間板の変性が進み、脊柱管にある脊髄が圧迫される疾患です。
首から手先にかけての痛みやしびれを引き起こすことから、Eさんの二次障害として最も適切な回答です。
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