介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
総合問題 問9

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 総合問題 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Eさん(34歳、女性、障害支援区分3)は、特別支援学校の高等部を卒業後、週2回、生活介護を利用しながら自宅で生活している。
Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ cerebral palsy)で不随意運動があり、首を振る動作が見られる。
食事は首の動きに合わせて、自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く、食事が終わると、「首が痛い、しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。
また、お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて、お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。
Eさんは、生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは、「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。

介護福祉職は、Eさんが隣町の油絵教室に通うことができるようにサービスを提案したいと考えている。
次のうち、Eさんが利用するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

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この過去問の解説 (2件)

01

Eさんが油絵教室に通う=移動するための支援方法を助言する必要があります。
そのことから、移動支援と同行援護で悩む方も多いかと思います。
それぞれの支援の内容を覚えておきましょう。

選択肢1. 自立生活援助

不正解です。
自立生活援助は定期的な訪問などで、地域生活が円滑に行えるように相談、助言を行う訓練等給付です。

選択肢2. 療養介護

不正解です。
療養介護は、医療を必要とする障害者で、常時介護を必要とする方に医療的管理下における介護や日常的な世話を行うことです。

選択肢3. 移動支援

正解です。
移動支援は、屋外での移動が難しい肢体不自由な障害者に対し、生活上必要不可欠な外出や、社会参加のための外出支援を行ないます。

 

考えられる他の支援ですと、

・視覚障害によって移動が困難な場合は、同行援護

・知的障害精神障害によって移動が困難な場合は行動援護

となりますが、Eさんは脳性麻痺による運動機能の障害となるため、移動支援が適切です。

選択肢4. 自立訓練

不正解です。
自立訓練は、障害者が自立した生活ができるように身体機能、生活能力の向上のための訓練です。

選択肢5. 同行援護

不正解です。

同行援護は視覚障害によって、移動が困難な方を対象として、外出に同行し援護を行なうものです。

まとめ

その他にも間違えやすい回答としては行動援護があげられます。

行動援護は、知的障害精神障害によって常時介護を必要とする方を対象に、危険回避のための援護、移動支援を行うものです。

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02

油絵教室に通う目的は、Eさんが絵を描くことが好きだからなので、自立とは異なります。

今回の問いにおいては、「移動支援」と「同行援護」で迷うかもしれませんが、

移動支援:移動が困難な人に対してガイドヘルパーが行う外出の支援サービス

同行援護:視覚障害者等の方の外出時に支援を行う者が同行し、移動に必要な情報を提供する

という違いがあります。

 

今回Eさんは視覚障害ではなく不随意運動があるので、「移動支援」が正解です。

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