介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問39 (認知症の理解 問1)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問39(認知症の理解 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。
  • 「予防」とは、「認知症(dementia)にならない」という意味である。
  • 「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱が示された。
  • 「普及啓発・本人発信支援」として、家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された。
  • 策定後は、毎年施策の進捗を確認することが示された。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。です。

 

2019年に策定された「認知症施策推進大綱」では、認知症があっても安心して暮らせる社会の実現を目指し、「共生」と「予防」の両方を車の両輪として施策を進めることが基本方針として示されました。

 

この2つの柱は、それぞれが単独で成り立つものではなく、互いに補い合いながら、認知症になっても暮らしやすい社会をつくっていくための軸となります。

 

今後の認知症施策を学ぶうえで、この「共生」と「予防」のキーワードは必ず押さえておきたいポイントです。

選択肢1. 「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。

正解。 

この表現は、「認知症施策推進大綱」の中でも特に重要なキーワードとして位置づけられています。

「共生」とは、たとえ認知症があっても、その人の尊厳が守られ、地域の中で自分らしく暮らし続けられること。

一方の「予防」とは、認知症の発症や進行をできる限り遅らせるための取り組みを意味しています。

 

この2つの考え方をバランスよく推進していくことが、これからの認知症施策の柱となっているのです。

選択肢2. 「予防」とは、「認知症(dementia)にならない」という意味である。

「予防」といっても、認知症そのものを完全に防ぐという意味ではありません。

ここでの「予防」は、

・発症をできるだけ遅らせること

・進行をゆるやかにすること

この2つを含んでいます。

 

したがって、「認知症にならない」といった表現は、誤解を招きやすく不正確だという点に注意しておきましょう。

選択肢3. 「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱が示された。

この内容は、2015年に策定された「新オレンジプラン」に盛り込まれていたものです。
そのため、2019年の認知症施策推進大綱の説明としては不適切です。


認知症施策は、「オレンジプラン → 新オレンジプラン → 認知症施策推進大綱」と、段階的に進化しています。

どの施策がどの年代に出されたかを整理して覚えることが、迷わず選べるコツになりますよ。

選択肢4. 「普及啓発・本人発信支援」として、家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された。

2019年の認知症施策推進大綱では、「本人の意思の尊重」が特に強調されています。

たとえ家族であっても、本人の代わりに決めるのではなく、本人が自らの思いを表現できるよう支えることが基本姿勢とされています。


選択肢に「家族が代弁」「本人の声をくみ取る」などの表現が出てきたら、「本人主体の支援かどうか」に注目して判断しましょう。

「本人の意思を大切にする」という視点を持つことが、正答へのカギになります!

選択肢5. 策定後は、毎年施策の進捗を確認することが示された。

認知症施策推進大綱では、進捗状況の確認や内容の見直しを「概ね3年ごと」に行うとされています。

「毎年見直す」といった表現は、実際の大綱の内容とは異なるため、誤答につながりやすいポイントです。


問題文に「検証の頻度」が出てきたら、「概ね3年ごと」が正解ワードと覚えておきましょう。

数字のひっかけに注意して、落ち着いて選択肢を見極めてくださいね!

まとめ

「共生」「予防」は、常にセットで押さえておくべきキーワードです。
とくに、「車の両輪」という表現が出てきたら、認知症施策推進大綱の基本理念を指していると考えましょう。

 

・「新オレンジプラン」との違い(年代・柱の数・主眼)

・本人の意思を尊重する姿勢が重視されていること

 

試験では、「制度の変遷」や「本人視点の支援」など、時代背景と制度の文脈を読み取る力が求められます。

用語だけでなく、「その言葉が示す時代の流れや価値観」もイメージできるようにしておくと安心ですよ。

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02

認知症施策推進大綱は、

従来の「オレンジプラン」「新オレンジプラン」を継承・発展させ、

認知症の発症抑制と、発症後も“安心と希望”をもって

暮らせる社会づくりを狙いとしています。

 

認知症施策推進大綱の中核は「共生」と「予防」の両輪をもって、

多様な立場が連携して5本の柱

具体的施策を推進するとされています。

選択肢1. 「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。

〇:正しいです。

 

認知症施策推進大綱の本文は、

認知症の発症を遅らせ、

認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、

認知症の人や家族の視点を重視しながら、 

「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。

 

と明記しています。

選択肢2. 「予防」とは、「認知症(dementia)にならない」という意味である。

×:誤りです。

 

認知症施策推進大綱の本文は、

「予防」とは、「認知症にならない」という意味ではなく

「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」

という意味である。

 

と明記しています。

選択肢3. 「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱が示された。

×:誤りです。

 

認知症施策推進大綱が示したのは具体的な施策5つの柱です。

① 普及啓発・本人発信支援

② 予防

③ 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援

④ 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援

⑤ 研究開発・産業促進・国際展開

 

尚、「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱は、

新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)で示されたものです。

選択肢4. 「普及啓発・本人発信支援」として、家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された。

×:誤りです。

 

認知症施策推進大綱の本文は、

認知症の人本人からの発信の機会が増えるよう、

地域で暮らす本人とともに普及啓発に取り組む。

 

と明記しています。

従って、家族が積極的に代弁するだと誤りとなります。

選択肢5. 策定後は、毎年施策の進捗を確認することが示された。

×:誤りです。

 

認知症施策推進大綱の本文は、

本大綱の対象期間は、

団塊の世代が75歳以上となる2025(令和7)年までとし、

策定後3年を目途に、施策の進捗を確認するものとする。

 

と、明記しています。

 

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