介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問47 (認知症の理解 問9)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問47(認知症の理解 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、認知症疾患医療センターの説明として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 事業の実施主体は、市町村である。
  • 都道府県ごとに、1か所の設置が義務づけられている。
  • 認知症(dementia)の鑑別診断を行う。
  • 主に認知症(dementia)が進行した人の入院治療を行う。
  • 介護保険法に定められている。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解「認知症(dementia)の鑑別診断を行う」です。

 

認知症疾患医療センターの中心的な役割「鑑別診断」であり、「もの忘れがある=認知症」と安易に判断せず、うつ病やせん妄など他の疾患との区別を正確に行うことが求められます。

また、医療だけでなく、地域の支援機関と連携して、家族への相談支援や地域包括支援センターとの連携も担っています。

 

試験では、「設置の主体は都道府県」「鑑別診断が中心」「地域支援の中核拠点」という3点をセットで押さえておくと安心です。

選択肢1. 事業の実施主体は、市町村である。

認知症疾患医療センターの設置・運営の主体は、都道府県や指定都市であり、市町村ではないという点は、試験でもよく問われるポイントです。

 

これは、認知症の鑑別診断や専門医療の提供には高度な体制と広域的な支援が必要とされるため、地域の中核的な役割を担う自治体レベルで整備されているからです。

 

市町村は主に、身近な相談窓口や初期支援の調整役(地域包括支援センターなど)を担います。
この違いをしっかり区別して覚えておきましょう。

選択肢2. 都道府県ごとに、1か所の設置が義務づけられている。

認知症疾患医療センターの設置については、都道府県に1か所の設置が「義務」とされているわけではありません。

あくまで努力義務とされており、地域の実情やニーズに応じて柔軟に設置される仕組みになっています。

そのため、必要に応じて複数のセンターが設置されることもあります。

「必ず1か所」というような表現が出てきたら、それは誤りだと見抜けるようにしておきましょう。

選択肢3. 認知症(dementia)の鑑別診断を行う。

正解。

認知症疾患医療センターでは、認知症が疑われる方に対して、症状の背景にある原因を明らかにする「鑑別診断」が行われます。

たとえば、アルツハイマー型なのか、レビー小体型なのかといったタイプを見極めることが目的です。

この診断によって、その後の適切な支援や治療の方向性が決まるため、非常に重要なステップとなります。

 

「単なる診断」ではなく、「治療や支援の出発点としての診断」という認識がカギになります。

選択肢の中で

「何を目的としているか」 を丁寧に読み取る習慣を意識してみてください。

選択肢4. 主に認知症(dementia)が進行した人の入院治療を行う。

認知症疾患医療センターは、入院治療を目的とした施設ではなく、外来診療を基本としています。

必要に応じて医療機関との連携はありますが、入院そのものはセンターの機能に含まれていません。

 

「外来診療が基本」「入院は機能に含まれない」「必要時は他機関と連携」という3点をセットで覚えると、迷わず判断できるようになりますよ。

選択肢5. 介護保険法に定められている。

認知症疾患医療センターは、「介護保険法」ではなく、「医療制度」の枠組みで位置づけられている施設です。

名前に「介護」が含まれていないことに惑わされず、どの制度に基づいて設置されているのかをしっかり確認しておきましょう。

 

認知症疾患医療センターは、医療の中での支援拠点であり、介護保険上の施設とは別枠です。

試験では、「どの制度に基づいているのか?」を問う設問がよく出されるので、医療制度に基づく拠点という視点で覚えておくと安心ですよ。

まとめ

試験では、「誰が設置するのか」「どの法律に基づくのか」といった行政的な背景がよく問われます。

こうした選択肢は一見よく似ていますが、細かい違いに注意が必要です

 

迷ったときは、「主語は誰か」「施設の役割は何か」に立ち返って、丁寧に読み取ることが正答への近道になります。

覚えるときは、「認知症疾患医療センター=鑑別診断+地域との連携支援の拠点」というかたちでイメージしてしておくと、記憶に残りやすくなりますよ。

 

・設置主体は、都道府県または指定都市

・所管法令は、医療制度(介護保険法ではない)

・主な役割は、鑑別診断と支援体制の連携窓口

受験対策では、「制度の主語」と「機能の中身」をペアで覚えておくのが効果的です。

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02

認知症疾患医療センターは「都道府県および指定都市」を実施主体とし、

認知症の早期発見・早期対応、そして地域における医療と介護の連携を強化するための

医療政策として位置づけられています。

選択肢1. 事業の実施主体は、市町村である。

×:誤りです。

 

解説の冒頭に記述してあるように

都道府県および指定都市」を実施主体としています。

選択肢2. 都道府県ごとに、1か所の設置が義務づけられている。

×:誤りです。

 

都道府県および指定都市」を実施主体としているので、

複数個所設置している都道府県があります。

 

選択肢3. 認知症(dementia)の鑑別診断を行う。

○:正しいです。

 

この業務が認知症疾患医療センターの中心的な役割です。

認知症と他の疾患(例:うつ病、せん妄、正常加齢による物忘れなど)との鑑別診断を行い、

適切な治療や支援につなげる役割を担っています。

選択肢4. 主に認知症(dementia)が進行した人の入院治療を行う。

×:誤りです。

 

認知症疾患医療センターは、

認知症の初期段階の対応、診断、相談、家族支援、地域連携などを役割とし、

入院治療を目的としてはいません。

選択肢5. 介護保険法に定められている。

×:誤りです。

認知症疾患医療センターは新オレンジプランにて

認知症疾患医療センターの計画的な整備が明記されています。

 

 

 

【参考:認知症施策の変遷】

オレンジプラン(2012年)

正式名称: 認知症施策推進5か年計画

目標期間: 2013年度〜2017年度(5か年計画)

特徴:

初の国家的な認知症対策計画

「認知症ケアパス」や「初期集中支援チーム」の整備

医療・介護・地域支援の連携強化が柱

 

新オレンジプラン(2015年)

正式名称: 認知症施策推進総合戦略

目標期間: 2015年度〜2019年度

特徴:

「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域で自分らしく暮らせる社会」の実現を目指す

7つの柱(普及啓発、医療・介護提供体制、若年性認知症支援、介護者支援、研究開発、本人視点の重視、地域づくり)

 

認知症施策推進大綱(2019年)

目標期間: 2019年度〜2025年度

特徴:

初めて「共生と予防」を2本柱に明記

数値目標を設定(例:認知症の人の就労継続率、認知症サポーター数など)

本人・家族の視点を重視し、認知症になっても希望を持って暮らせる社会を目指す

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