大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問24 (世界史B(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問24(世界史B(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

歴史を学ぶ際には、資料の内容だけでなく、作成者(書き手)が生きた時代やその立場も考慮する必要がある。そうした視点に立った次の文章を読み、後の問いに答えよ。

次の資料は、後のインド総督カーゾンの著作(1889年)の一部である。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)

資料
アフガニスタンが、「東洋」の他の部分と同じくa 「ロシアのくびき」を欲していることを、ロシア人の側では、傲慢な自己満足とともに確信している。アフガン人は、自身の独立と部族組織の保持を自分たちの目的としているため、現在の状況はさておいても、二大帝国から得られる利益の違いはほとんどないと考えている。しかしながら、ロシアの進出が併合そのものを意味するのに対して、イギリスはアフガンの自由に干渉しようと望んでいないことをはっきり示してきたので、イギリスにとっての明白な強みがある。

19世紀のグレートゲームと呼ばれる大国の覇権争いのなかで、インドから北上するイギリスと、南下して中央アジアへの支配を進めるロシアとは、アフガニスタンをめぐって対抗していた。この資料は、14世紀にロシアが( ア )に支配されていた歴史を揶揄(やゆ)しつつ、1886年前後の状況を示していると考えられる。この時アフガニスタンはイギリスの保護国となっていたが、ロシアも引き続き介入を模索し、両国の緊張関係は東アジアにも及んでいった。なお、資料がイギリス本位の記述になっていることには注意を要する。例えば資料中の「ロシアの進出」について、ロシアが実際にアフガニスタンを併合しようとしていたとは考えにくいが、イギリス側が過度に警戒していたことがうかがえる。当事者であるアフガニスタン、またイギリスと対抗するロシアの立場からは、同じ出来事について異なった解釈があり得ることに留意しなければならない。

アフガニスタンの歴史について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • ガズナ朝が、セルジューク朝から自立(独立)した。
  • バクトリアが、アケメネス朝から自立した。
  • トルコ=イスラーム文化が、クシャーナ朝の時代に発展した。
  • 20世紀に、ソ連軍の侵攻を受けた。

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この過去問の解説 (1件)

01

アフガニスタンの歴史に関す知識が問われた問題です。

選択肢1. ガズナ朝が、セルジューク朝から自立(独立)した。

ガズナ朝は、セルジューク朝に敗れてイランにおける領土を失い、さらに、1186年にゴール朝に首都ガズナを奪われて滅亡しました。よって誤りです。

選択肢2. バクトリアが、アケメネス朝から自立した。

バクトリアは、紀元前3世紀にセレウコス朝から自立しましたので誤りです。

選択肢3. トルコ=イスラーム文化が、クシャーナ朝の時代に発展した。

クシャーナ朝は1世紀~3世紀にかけて中央アジアから西北インドを支配しました。この地域にイスラム教が伝わるのは7世紀以降のことなので正しくありません。

選択肢4. 20世紀に、ソ連軍の侵攻を受けた。

ソ連軍がアフガニスタンに侵攻したのは1979年のことです。ソ連軍が親ソ政権を樹立し、主要都市を制圧したことからアメリカが反発し、米ソの対立が激化して「第二次冷戦」と呼ばれるようになりました。

まとめ

アフガニスタンの歴史が問われました。アフガニスタンは、ロシア、インド、中国などの大国にはさまれたことから何度も歴史の舞台となっています。アフガニスタンの歴史の概要を整理しておきましょう。

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