大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問30 (世界史B(第5問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問30(世界史B(第5問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の人権侵害や差別について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

ヨーロッパ研修旅行で、ドイツ南部のダッハウ強制収容所跡の展示施設を訪れた学生二人と教授とが会話をしている。

教授:ここダッハウ収容所は、ナチ政権の成立と同年に開設され、この政権が終わる年まで稼働しました。この博物館の展示を基に、歴史的思考の実践をしてみましょう。
平沢:今まで、強制収容所と言えばアウシュヴィッツのイメージしかありませんでした。しかし、ナチ強制収容所の歴史には大きく三つの段階があり、「労働を通じた矯正」、「労働を通じた殺戮(さつりく)」、「ガス殺などを通じた絶滅」の段階があったと知りました。
教授:一般に流布したイメージの刷新も歴史的思考の一つですね。「労働を通じた矯正」という初期の段階の背景には、( ア )という法の成立があります。この法の制定をきっかけに、他の政党が排除されていき、( イ )が確立しました。これがダッハウ収容所設立と結び付くのです。「労働を通じた殺戮」の段階は、1938年3月のナチス=ドイツの領域拡大の時期と一致します。
秋山:次の最終段階では、スターリングラードの戦いで知られる東部での戦争が開始されると、労働のために大量の収容者が必要とされながらも、「ガス殺などを通じた絶滅」が実行されました。この矛盾した状況を、展示から理解できました。
平沢:展示を見て知ったのは、「強制労働」とは、a 移動の自由や職業選択の自由などの人権が制限された労働だと定義されているということです。
教授:歴史的思考には、歴史上で培われてきた価値を理解し、現代に応用することも含まれます。この「強制労働」の定義を、世界史上の出来事にも応用して考えてみましょう。

次のグラフはナチ強制収容所に収容されていた人数を示したものである。研修旅行後に、学生がグラフを基にメモをまとめた。前の文章を参考にしつつ、メモ中の空欄( ウ )に入れる文として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

メモ
「ガス殺などを通じた絶滅」の段階は、巨大な収容所が本格的に稼働した時期と一致し、大量死が生じた。この時期についてグラフから分かるのは、( ウ )ことである。グラフ上の数値の背後には多くの死があり、そこまで思考すれば、ホロコーストが激化した歴史をより深く理解できるだろう。
問題文の画像
  • オーストリア併合時、「絶滅」段階に至ったにもかかわらず、収容されていた人数は増加した
  • オーストリア併合時、「絶滅」段階に至ったので、収容されていた人数は減少した
  • 独ソ戦の開戦後、「絶滅」段階に至ったにもかかわらず、収容されていた人数は増加した
  • 独ソ戦の開戦後、「絶滅」段階に至ったので、収容されていた人数は減少した

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