大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問49 (日本史B(第3問) 問5)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問49(日本史B(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のアユムさんとリョウさんは、所属する日本史探究部で、「中世の人々の暮らしと考え方」について研究発表することになった。発表について相談する二人の会話を読み、後の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

アユム:中世の人々の暮らしって、現在の私たちとは大きく異なるところがあるよね。家の造りや生活様式など、目に見える部分だけじゃなくて、様々な単位なんかも、今とは全く違っているし。
リョウ:そうそう。以前に荘園の現地で年貢の収納などに使われていた枡(ます)について触れた文章を読んだけど、播磨国にある矢野荘っていう荘園には、年貢収納のための枡が複数あって、それぞれ容量が違うんだって。
アユム:それはびっくりだよね。せっかく、後三条天皇がa 延久の荘園整理令の時に新しい枡を作って容量の統一を試みたのにね。同じ大きさの枡で量った方が便利だし、合理的だと思うんだけど。そういえば、豊臣秀吉も枡を統一しようとしてなかったっけ。
リョウ:b 太閤検地を実施する際に使った枡のことだよね。太閤検地では統一的な枡や尺度を定めて実施したところが新しいよね。とはいえ、その後も各地では独自の枡や尺度を用いていたところもあったみたいだけど。
アユム:中世では様々な大きさの枡が使われたけど、統一政権ができたことで、だんだんと統一される方向に進んでいったのかな。
リョウ:そうなのかもね。でもやっぱり、c 容量の違う枡が同じ荘園で使われていたり、容量が違う枡を使って年貢を量っていたりする理由が気になるよね
アユム:本当に、中世の人々の考え方って不思議だよね。
リョウ:面白い研究発表のテーマだから、中世の枡についてもっと調べてみようよ。

下線部cに関連して、次の問いに答えよ。

アユムさんとリョウさんは、表や史料1・2と新たに見つけた次の史料3を踏まえて、中世に容量の違う枡が使われていた理由とその影響について整理した。その内容に関して述べた後の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

史料3 百姓の訴え
公田の枡は、これまでの例に背いて容量を大きく改変されてしまったので、百姓は再三、元に戻すよう荘園領主の東寺に要求してきました。けれどもその要求は、代官によって妨害されてしまい、今もなお聞き入れられていません。そこで私たちは、元の枡の図面を東寺に送ったところ、代官は元の枡の実物を私たちから取り上げてしまい、容量の大きい枡を私たちに押しつけてきました。しかも代官は、自分が押しつけた枡が元の枡よりも容量が小さいと主張して、さらに大きい枡を使うよう強要してきました。
(「東寺百合文書」大意)

X  枡の容量の違いで、年貢の収納や配分の際に差額が生じるため、中世の人々は自らに有利な枡を利用しようとした。
Y  百姓は、代官が強制する枡を拒否するために、代官に対して国一揆を起こした。
  • X 正  Y 正
  • X 正  Y 誤
  • X 誤  Y 正
  • X 誤  Y 誤

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説

まだ、解説がありません。