大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問69 (地理B(第1問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問69(地理B(第1問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

世界の自然環境と自然災害に関する次の問いに答えよ。

世界の各都市の日照時間は、都市が位置する緯度や気候によって異なる。次の図5は、いくつかの都市における1月と7月の日当たりの日照時間を示したものであり、①~④は、オスロ、シドニー、ムンバイ(ボンベイ)、ローマのいずれかである。ムンバイに該当するものを、図5中の①~④のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「④」です。

 

これは難問です。

 

>オスロ

ノルウェーの首都で北極圏に近いため、7月は白夜に近い状態となります。

 

>シドニー

オーストラリアの都市で、シドニーだけ南半球にあるため7月が冬、1月が夏です。

温暖湿潤気候です。

 

>ムンバイ

インドの都市で、赤道に近い位置です。

熱帯モンスーン気候下でモンスーンの影響で夏は雨が多く、日照時間が低くなります。

 

>ローマ

イタリアの首都で、東京より緯度が高いです。

地中海性気候下で、夏は非常に乾燥し降雨がありません。

晴れた日が続きます。

選択肢1. ①

オスロを示しており、誤答です。

 

1月に極端に日照時間が小さく、これは高緯度地域の極夜(一日中日が昇らない)に近い状態です。

選択肢2. ②

ローマを示しており、誤答です。

 

夏である7月に晴れた日が続くことにより、非常に長い日照時間があります。

選択肢3. ③

シドニーを示しており、誤答です。

 

7月よりも1月の方が日照時間が2時間ほど短いことから、南半球の都市だと判断します。

選択肢4. ④

ムンバイを示しており、正答です。

 

各都市の緯度から考察すると、④は1月に日照時間がとても長いため南半球のシドニーではないか判断しがちです。

しかしシドニーであったとしても、7月の日照時間の極端な短さが説明できません。

これは7月にモンスーンの影響で多雨が続き日差しが遮られ続けるムンバイを指しています。

まとめ

ひっかけ問題です。

「夏=日照時間が長い」という日本人にとって一般的なイメージに捕らわれないようにしましょう。

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02

1月と7月の日照時間がプロットされたグラフを見て、どの番号がムンバイであるかを選ぶという問題です。

縦軸が7月の日照時間で横軸が1月の日照時間を表しています。

日照時間とは、日照計により観測される太陽が照った時間数のことです。日照時間が長いのは夏というイメージですが、雨が降る日は太陽が出ていない点に注目しましょう。

ムンバイはインドの西海岸に面する赤道に近い場所に位置しています。この地域の特徴はモンスーンの影響を受け始める6月から9月の4ヶ月間は雨季の時期で豪雨となることが多く、年間の降水量の95%以上がこの時期に降るということです。

この問題は、降水量=日照時間が少ないという着眼点で解いていくとよいでしょう。

 

降水量が多い月は日照時間が少ないと考えると、ムンバイは7月の日照時間が極端に少ないということになります。

7月の日照時間が一番少ない番号は、「④」です。赤道に近い点を考えると1月の日照時間は一番長くなるはずですから、正解は「④」になります。

選択肢1. ①

日照時間は7月が長く、1月は極端に短くなっています。このような傾向は北半球の高緯度の日照時間の特徴です。

問題の中で高緯度に位置している都市は「オスロ」と「ローマ」ですが、1月が極端に短くなっているのは、降雪が多く、ほぼ曇り都市だと考えると「オスロ」の日照時間の傾向となります。

選択肢2. ②

日照時間は7月が特に長く、1月は少なくなっています。この傾向も高緯度の北半球の特徴です。7月に日照時間が長いということは、晴れの日が多いということです。

この傾向は、夏は高温で乾燥しているので晴れの日が多くなるという地中海性気候の特徴といえます。都市の中では「ローマ」の日照時間の傾向となります。

選択肢3. ③

日照時間は、7月と1月の差はほとんどありません。

日照時間に差が見られないというとは、明確な雨季と乾季がなく、年間を通して降雨量に差がない地域だと考えられます。各都市の中では「シドニー」の日照時間の傾向となります。

選択肢4. ④

日照時間は、7月が極端に短く、1月は多くなっています。この傾向は7月に降雨量が最も多い都市だと考えます。

各都市の中で7月に極端に降雨量が多いのは、6月~9月にかけてモンスーンの影響を受けて豪雨となる「ムンバイ」です。したがって、正解は「④」ということになります。

まとめ

日照時間の長短は太陽が出ているか出ていないかを考えると分かりやすいです。

年間を通じて降雨量がどのように推移しているか、その影響はどのような気象条件によるものかを理解しておきましょう。

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03

ムンバイに該当するのは ④ です。


【選択肢を見分けるポイント】

ムンバイの気候

インド西岸の熱帯モンスーン気候です。

・1月(乾季)は晴天が多く日照時間が長い

・7月(雨季)はモンスーンの厚い雲と豪雨で日照時間が極端に短い

 

図5の散布図の読み取り

・横軸=1月の日照時間(時間/日)

・縦軸=7月の日照時間

右下に位置する点は「1月が長く、7月が非常に短い」都市を示します。

選択肢1. ①

日照時間が、1月は短く、7月は長くなっています。

高緯度北半球の特徴です。

選択肢2. ②

日照時間が、1月は短く、7月は長くなっています。

①と同様に高緯度北半球の特徴です。

選択肢3. ③

日照時間は、1月が長く7月もそこそこ長くなっています。

南半球温帯の特徴で、シドニーが該当します。

選択肢4. ④

乾季は快晴、雨季はほぼ曇天というムンバイの年較差と合致します。

まとめ

ムンバイの「乾季に日照多・雨季に日照少」という際立った季節差は、図5の右下に位置するの点と一致します。

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