大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問64 (政治・経済(第1問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問64(政治・経済(第1問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次に示したのは、生徒Xと生徒Yが住んでいるJ県の広報誌の一部である。これに関して、後の問いに答えよ。

下線部aに関連して、生徒Xは、資本主義経済の成立と発展の概要について考察するためにキーワードを整理し、次のノートにまとめた。ノート中の下線部ア~エのうち誤っているものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

〇産業革命
18世紀後半にイギリスで産業革命が起こり、その後、他のヨーロッパ諸国やアメリカ、そして日本でも産業革命が起こった。産業革命によって、工場制手工業から工場制機械工業へと発展し、生産力が飛躍的に高まった。
〇私有制
生産手段を私有できることで、資本蓄積への意欲が高められる。
〇市場経済
市場での自由な取引を通じて企業は利潤を追求し、その利潤がさらなる設備投資の資金となって経済が成長する。
〇階級分化
資本主義経済下では、生産手段を所有する者と所有しない者、つまり資本家と労働者への階級分化が生じる。これが資本主義経済において経済格差が発生する要因の一つとなる。マルクスは資本主義経済を分析し、資本家と労働者との間の利害の対立構造を明らかにした
〇景気循環(景気変動)
資本主義経済の発展によって、生活が豊かになる一方で、景気循環による不況や恐慌の発生という問題が起こる。ケインズは資本主義経済下での不況の原因は供給能力の不足にあるとの理論を示した
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  • 下線部ア
  • 下線部イ
  • 下線部ウ
  • 下線部エ

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「下線部エ」です。

以下、解説になります。

選択肢1. 下線部ア

アについて、私有制とは、生産手段が個人の所有下にある状態を指します。

これにより、自己の資本増加・蓄積への意欲向上が見込まれます。

選択肢2. 下線部イ

イについて、自由な経済取引は、経済成長に寄与する側面があるため正しいです。

選択肢3. 下線部ウ

ウについて、マルクスは、資本家と労働者の対立構造を明らかにした経済思想を展開した人物です。

選択肢4. 下線部エ

正解は、この肢です。

ケインズは、国家が主体となって市場を管理することが、経済の低迷を回避する手段であると述べています。そのため、不況の原因が供給能力不足であるとは述べていません。

まとめ

マルクスやケインズの資本論は、社会科において重要な知識です。

本問を機に、両者の思想を確認しておきましょう。

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02

資本主義は「私有財産制」、「利潤追求が可能」、「自由競争が認められる」の3つが特徴です。

選択肢1. 下線部ア

不適切。私有制により、資本の蓄積への意欲が高まります。

選択肢2. 下線部イ

不適切。資本主義経済は利潤を追求できます。

選択肢3. 下線部ウ

不適切。資本主義において貧富の差が拡大することからマルクスはこれを批判しました。

選択肢4. 下線部エ

適切。ケインズは不況の原因を「供給能力の不足にある」ではなく、「有効需要の不足にある」と説きました。

まとめ

資本主義及び社会主義の特徴を整理しましょう。

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