給水装置工事主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
公衆衛生概論 問2

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問題

給水装置工事主任技術者試験 平成27年度(2015年) 公衆衛生概論 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

水道の浄水処理に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
  • 急速ろ過法とは、一般に原水に凝集剤を加えて沈でん処理をしたのち、砂ろ過を行う浄水方法である。
  • 緩速ろ過法とは、一般に原水を普通沈でん処理したのち、ろ過池の砂層に繁殖した好気性生物により水を浄化する浄水方法である。
  • 急速ろ過法、緩速ろ過法ともに、砂ろ過を行った後、消毒のための塩素剤を注入する。
  • 緩速ろ過法では、溶解性の鉄やマンガンを除去するため、ろ過池の前に塩素を入れる前塩素処理を行う。

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この過去問の解説 (2件)

01

急速ろ過池は、1800年代後半にアメリカで発祥し、主に薬品による浄水処理です。
 前処理として薬品により濁質を凝集させ、粗い砂等で構成された粒状層へ日当たり120~150mの速度で通水させ、水を浄化しています。
 物理的に濁質を除去するイメージで、ろ過前段に塩素を加えることで、鉄・マンガンの除去が可能です。

 緩速ろ過池は、1800年代初期にイギリスで発祥し、主に生物の分解作用による処理です。
比較的細かな砂層の表面に藻類や微生物の生物が繁殖させたうえで、日当たり4~5mの速度で通水させ、生物による分解作用等により水を浄化しています。

【4】の鉄・マンガンの除去は「緩速ろ過池」ではなく「急速ろ過池」が正しい答えです。
また、緩速ろ過池は生物による浄化作用であるため、前処理で塩素を投入することは、ろ層表面の生物が死滅するため、原則やってはいけません。

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02

【解答:4】
○緩速ろ過は、一日に4〜5mという緩やかな速度でろ過池の砂層に水を通し、ゆっくりと流すことで砂層の表層部に繁殖している微生物(生物ろ過膜)の分解作用で水をきれいにする方法です

○急速ろ過は、水中の小さな濁りや細菌類などをPAC(ポリ塩化アルミニウム)という薬品で集め、沈殿させた後の上澄みを、一日に120m〜150mという速度でろ過池の砂層に通し、水をきれいにする方法です。

選択肢1、2、3:正しい。記述のとおりです。

選択肢4:誤り。
緩速ろ過ではなく、「急速ろ過」の説明です。

一般的に
○緩速ろ過:取水→沈でん→緩速ろ過→消毒(後塩素処理)
○急速ろ過:取水→前塩素処理→薬品注入→急速かくはん→緩速かくはん→沈でん→(中間塩素処理)→急速ろ過→消毒(後塩素処理)
となります。

したがって、答えは【4】となります。

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