給水装置工事主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
公衆衛生概論 問3

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問題

給水装置工事主任技術者試験 平成27年度(2015年) 公衆衛生概論 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

化学物質の飲料水への汚染経路や健康影響に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
  • フッ素の飲料水への混入は、地質や工場排水等に由来する。過度に摂取すると、体内沈着によって斑状歯や骨折の増加等を引き起こす。
  • 有機溶剤であるトリクロロエチレンが、未処理のまま土壌に浸透して飲料用の地下水に混入した事例がある。
  • 水道原水中の有機物質が浄水場で注入される凝集剤と反応して、発がん性が報告されているトリハロメタン類が生成される。
  • 鉛製の給水管を使用していると、pH値の低い水や遊離炭酸の多い水に鉛が溶出しやすい。

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この過去問の解説 (2件)

01

【1】フッ素は、地質や工場排水に由来し、過度に摂取すると斑状歯や骨折増加の要因となります。

【2】トリクロロエチレンは工場排水に由来し、トリクロロエチレン等の有機溶剤が土壌に浸透すると、樹脂製の管であれば内部に浸透する可能性があります。ガソリンスタンドやクリーニング店周辺は使用管材や防護対策の検討が必要となります。

【3】トリハロメタンの生成は「凝集剤」ではなく「塩素」が正しいです。
トリハロメタンは、水中の有機物と塩素が科学的な反応により生成されるもので、発がん性があるといわれています。

【4】鉛管は耐食性、加工性に優れているため、1980年代後半まで給水管として数多く使用されてきましたが、厚生労働省の通知により使用禁止となっています。
 また鉛管は、溶存酸素、PH値、遊離炭酸、硬度、アルカリ度、水温、流速など、多種にわたって腐食の要因が考えられ、その腐食と溶出の関係が深いと考えられています。

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02

【解答:3】
選択肢1、2、4:正しい。記述のとおりです。

選択肢3:誤り。
水道原水中の有機物質が浄水場で注入される「凝集剤」ではなく、「塩素」と反応して、
トリハロメタン類が生成されます。

川などの水に、枯木等が分解された時に発生する腐食質や排水などの中にある有機物質が塩素と反応するためです。
なお、水質基準値以下であれば安全性に問題はありません。

したがって、答えは【3】になります。

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