給水装置工事主任技術者 過去問
令和2年度(2020年)
問2 (公衆衛生概論 問2)

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問題

給水装置工事主任技術者試験 令和2年度(2020年) 問2(公衆衛生概論 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

水道の利水障害(日常生活での水利用への差し障り)とその原因物質に関する次の組み合わせのうち、不適当なものはどれか。
  • 泡だち ―― 界面活性剤
  • 味 ―――― 亜鉛、塩素イオン
  • カビ臭 ―― アルミニウム、フッ素
  • 色 ―――― 鉄、マンガン

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は「不適当なもの」を選択する問題です。

選択肢1. 泡だち ―― 界面活性剤

界面活性剤とは、例えば洗剤がその一つです。

界面活性剤は水と油の両方の性質を持つため、油汚れなどを泡で包み込み、水で洗い流せるようにしています。

ですので、泡立ちとは関連性があります。

選択肢2. 味 ―――― 亜鉛、塩素イオン

亜鉛と味には関連性があります。

それは、亜鉛が不足すると、味がわからなくなるという味覚障害が起こるからです。

塩素イオンは塩化物イオンともいい、Cl-で表します。

塩素イオンと味にも関連性があります。

それは、塩素イオンを多く含むと、水の味が変わったように感じます。

これは塩素イオンに対する受容体が口の中にあるためです。

塩素イオンは残留塩素とは違うもので、水道水がカルキ臭くなるのは、残留塩素によるものです。

選択肢3. カビ臭 ―― アルミニウム、フッ素

この回答は「不適当なものです」。

水道水からカビ臭がする原因は、例えば「ジオスミン」という物質で、浮遊性の藻類や土の中の菌である放線菌類により作られます。

他にも2-MIB(2-メチルイソホルネオール)という物質はカビ臭がします。

アルミニウムは、水道水に含まれる塩素やミネラル成分などと反応して、変色の原因になります。

フッ素は、よく虫歯予防のため歯磨き粉などに含まれる元素で、食品などにも含まれています。

水道水にフッ素(フッ化物)を入れて、虫歯を予防するフロリデーションという方法を取っている国もあるくらいです。

選択肢4. 色 ―――― 鉄、マンガン

サビていない鉄は銀白色をしていますが、水や酸素と反応して、茶色いサビになります。

鉄瓶や鉄フライパンは黒いものがありますが、これは意図的に高温で鉄と酸素を反応させ、鉄の表面を酸化鉄の膜でコーティングしたものです。

マンガンは自然界に存在し、食品にも含まれている元素で、もともとは銀白色をしています。

マンガンは水中の塩素と反応して黒く変色するため、浄水場では取り除かれています。

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02

不適当なものを選択する問題です。

選択肢1. 泡だち ―― 界面活性剤

適当です。

 

家庭排水に含まれる界面活性剤は、浄水処理で十分に分解されないと、水道水に泡立ちを引き起こすことがあります。

選択肢2. 味 ―――― 亜鉛、塩素イオン

適当です。

 

亜鉛が不足するとこの新陳代謝が滞り、味覚細胞が正常に機能しなくなり、味覚障害を引き起こします。

塩素イオン(Cl−)は、塩味を感じる上で重要な役割を果たします。

食塩(塩化ナトリウム, NaCl)を構成するイオンの一つであり、塩味の味覚受容体に作用して、ナトリウムイオン(Na+)とともに塩味を認識させます。

選択肢3. カビ臭 ―― アルミニウム、フッ素

不適当です。

 

カビ臭の原因物質は、ジオスミンという藻類が生成する物質です。

アルミニウムは凝集剤として、フッ素は虫歯予防として添加されることがありますが、これらが直接カビ臭の原因になるわけではありません。

選択肢4. 色 ―――― 鉄、マンガン

適当です。

 

サビていない鉄は銀白色をしています。

老朽化した水道管から溶出する鉄は赤水の原因となり、マンガンは黒水の原因となります。

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