給水装置工事主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
給水装置計画論 問35

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問題

給水装置工事主任技術者試験 令和2年度(2020年) 給水装置計画論 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

図−1に示す給水装置におけるB点の余裕水頭として、次のうち、最も適当なものはどれか。ただし、計算に当たってA~B間の給水管の摩擦損失水頭、分水栓、甲形止水栓、水道メーター及び給水栓の損失水頭は考慮するが、曲がりによる損失水頭は考慮しないものとする。また、損失水頭等は、図−2から図−4を使用して求めるものとし、計算に用いる数値条件は次のとおりとする。

① A点における配水管の水圧 水頭として20m
② 給水栓の使用水量 0.6L/s
③ A~B間の給水管、分水栓、甲形止水栓、水道メーター及び給水栓の口径20mm
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この過去問の解説 (1件)

01

これは余裕水頭を求める問題です。

余裕水頭を求めるためには、

 あ)配水管の最小動水圧時の水頭

 い)損失水頭(摩擦により損失する水頭と給水用具からの損失水頭)

 う)給水栓の設置されている高さにまで水を押し上げるために必要な力(給水栓の立ち上がり  高さ)

が必要です。

このあ)~う)のうち、あ)は問題文中にある数値条件①より、20mを使います。

い)の損失水頭は、摩擦による損失水頭と、給水用具からの損失水頭を求める必要があります。

まず、摩擦による損失水頭を求めます。まず図2を見てみましょう。

図2の「ウエストン公式流量図」では、動水勾配、流量、管口径のどれかを求めるときに使います。今回の問題は、流量と管口径がすでに与えられているので、この図からは動水勾配を求めることになります。

流量:0.6 L/s (これは数値条件②からわかります)

管口径:20mm (これは数値条件③からわかります)

ですので、この二つの交点を求めると、動水勾配が220‰(パーミル)となります。

‰(パーミル)というのは、千分率なので、この220‰というのは、1 mにつき水頭0.22 m分損失する、ということです。つまり、この値から摩擦による損失水頭を求めることができます。

今回の管の長さは4 m + 12 m で16 m。さらに高低差分(1 m + 3 m) も管の長さに含みますので、合計で20 mです。

よって、0.22 m x 20 m = 4.4 m摩擦損失水頭です。

次に給水用具からの損失水頭を求めましょう。図3を見てください。

図3から求められるのは、水栓類の損失水頭です。今回は分水栓、甲形止水栓、給水栓を考慮する必要があるので、この3つを図から読み取ります。

流量(横軸)は0.6 L/s なので、水栓類の交点の損失水頭は、それぞれ

甲形止水栓:1.8 m

分水栓:0.6 m

給水栓:1.8 m

図4からは水道メーターの損失水頭を読み取ります。今回の水道メーターの口径は20 mmなので、そこと、流量(横軸)0.6 L/sの交点から、水道メーターの損失水頭が求まり、2 mとなります。

う)の給水栓の立ち上がり高さは、図1の高低差から求めることができ、今回は

1 m + 3 m = 4 mとなります。

これら全てをあ)の20 mから引いていくと、余裕水頭を求めることができます。

よって、20 m - 4.4 m - 1.8 m - 0.6 m - 1.8 m - 2 m - 4 m = 5.4 m となり、これが答えになります。

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