マンション管理士の過去問 令和2年度(2020年) 問28
この過去問の解説 (3件)
正答は 4 です。
1 新たに組合員の資格を取得し又は喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならないとされているので、適切ではありません。
2 理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならないとされているので、同意は必要なく、適切ではありません。
3 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときは、第三者提供も許されるとされているので、適切ではありません。原則は、あらかじめ本人の同意を得る必要があります。
4 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならないとされています。本肢は改めて組合員の同意が得た場合の問題なので、利用することができ、適切です。
4.が答えになります。
≪詳細解説≫
1.不適切
マンション標準管理規約(単棟型)31条により、「新たに組合員の資格を取得し又は喪失した者は、直ちにその旨を書面又は電磁的方法により管理組合に届け出なければならない。」とされます。
よって、区分所有権の帰属が確定するまでの間は、組合員の得喪の届出を求めることはできないわけではありません。
2.不適切
マンション標準管理規約(単棟型)64条1項により、「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。」とされます。
よって、「改めて組合員全員の同意を得る」必要はありません。
3.不適切
個人情報保護法27条1項2号により、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」については、個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者への提供が許されます。
よって、設問中、「組合員の同意を得なければ、自治体等の要請に基づき組合員名簿を提供することはできない」わけではありません。
4.適切
個人情報保護法18条1項により、「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。」とされます。
よって、設問中、「当初の目的には掲げていなかった目的のためであっても、改めて組合員の同意が得られれば」利用することができます。
この問題は、マンションの管理組合における組合員の情報提供や組合員名簿の管理に関する取り扱いについて、標準管理規約と個人情報の保護に関する法律を基に、適切な発言を特定するものです。
具体的には、4つの選択肢の中から、法律や規約に適合する正しい発言を選ぶ能力が問われています。
誤り
解説:相続に関する争いが継続している場合でも、区分所有権の帰属が確定するまでの間、組合員の得喪の届出を求めることは可能です。
誤り
解説:組合員名簿の閲覧は、組合員総数及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意に基づく総会招集の理由であれば、特定の条件下で可能です。
しかし、組合員全員の同意を得るまでの間、閲覧を拒否することはできません。
誤り
解説:大規模災害が発生した際に、自治体や関係機関からの要請がある場合、組合員の同意を得ずとも、救助や救援のために組合員名簿を提供することが認められています。
正しい
解説:組合員名簿は、提供された情報に基づいて作成されるものであり、当初の目的以外の利用は、組合員の同意が必要です。
しかし、一度同意を得れば、その後の利用も可能となります。
この問題を解くためのキーは、「標準管理規約」と「個人情報の保護に関する法律」の内容を正確に理解することです。
各選択肢を読む際には、これらの文書の内容と照らし合わせて、その発言が適切かどうかを判断します。
適切な発言を正確に特定することが、この問題の正解への鍵となります。
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