(正解) 1
(解説)
「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」は、前身である精神保健法が平成7年に改正されたものであり、「自立と社会参加の促進のための援助」という福祉の要素を位置づけ、従来の保健医療施策に加え、精神障害者の社会復帰等のための福祉施策の充実も法律上の位置づけが強化するという目的があります。ここまで3回改正が行われており、平成25年の改定では、精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定・保護者に関する規定の削除・医療保護入院の見直し・精神医療審査会に関する見直しについて、改定されました。この改定によって、平成26年4月1日から保護者制度が廃止され、医療保護入院の要件を精神保健指定医1名の診断と家族等のいずれかの者の同意に変更し、病院の管理者に退院後生活環境相談員の設置等の義務が新たに課されることとなりました。よって、正解は「1」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
2.自立支援医療の新設
:自立支援医療、すなわち精神通院医療は、統合失調症や精神作用物質による急性中毒、てんかんを含むその他の精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する病状にある者に対し、その通院医療に係る自立支援医療費の支給を行う制度になります。平成18年度の障害者自立支援法が成立したときに新設されました。正解には該当しません。
3.精神保健指定医制度の導入
:精神科医療においては、本人の意思によらない入院や、一定の行動制限を行う事があることから、医師は、患者の人権にも十分に配慮した医療を行うために必要な資質を備えている必要があります。精神保健指定医は、一定の精神科実務を経験し、法律等に関する研修を終了した医師を厚生労働大臣が指定し、業務にあたります。精神保健指定医制度は、昭和62年の精神衛生法改正(精神保健法の成立)により創設されました。よって、正解には該当しません。
4.精神分裂病から統合失調症への呼称変更
:平成14年(2002年)8月に日本精神神経学会が呼称変更を決定しました。よって、正解には該当しません。