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看護師の過去問 第108回 午前 問110

問題

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次の文を読み問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊娠38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母児同室を開始しており、母乳育児を希望している。

産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。
Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
   1 .
3時間ごとに授乳させる。
   2 .
児が前屈姿勢になるように支える。
   3 .
児が泣している時に授乳させる。
   4 .
児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
   5 .
児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。
( 看護師国家試験 第108回 午前 問110 )
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この過去問の解説 (3件)

1
Aさんは自分の授乳のさせ方に自信がなく、退院後の授乳について不安を訴えています。
児の成長の状況としては体重減少も正常範囲内であり、排泄回数も平均的といえます。そのため、具体的な授乳の仕方、コツなどをアドバイスしてあげることが良いと考えられます。その視点で考えた場合、1と3は選択肢から除外されます。授乳間隔や授乳のタイミングが授乳のコツではないからです。そうなると選択肢は2、4、5に絞られますが、その中で不適切なのが2となります。児が前屈姿勢になるように支えてしまうと、児にとっては母乳を吸いづらい姿勢になってしまいます。授乳のコツとしては4、5が適切です。

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0
正解は4.5です。

新生児が十分に母乳を飲むためには、適切な姿勢や吸いつき方ができているかどうかが重要となります。母子共にコツをつかむには、時間や練習が必要であり、短い入院期間では習得できない場合があります。そのため、不安を抱えながら退院する方も少なくありません。
医療者は、授乳に関してアセスメントを行い、退院までにどのような援助や指導が必要かを見極め、介入することが必要です。
Aさんは、「乳頭を上手にくわえさせられない」ことに不安があり、上手に飲めないことで哺乳量や栄養が十分に摂取できない可能性あると感じています。
上手に飲めるようになるコツをしっかり指導することで、退院後の不安緩和につながります。

1)×
授乳回数に関する指導は、Aさんにとって直接的な不安緩和につながりません。
また、新生児は2.3時間毎の授乳が基本ではありますが、個人差もあり、あくまでも目安です。
この時期は、児が欲しいだけあげて良い時期です。

2)×
児が前屈姿勢になると、吸い付きにくいだけではなく、鼻が塞がれ窒息のリスクもあります。
顎が上を向き、鼻が乳房から離れて、呼吸しやすい姿勢にすることが重要であり、乳頭を鼻先に持っていくと自然に上向きになるなど、アドバイスをします。
また、正しい姿勢を保持することで、母乳の出が良くなったり、乳房全体の母乳をまんべんなく飲むことができるため、乳腺症や乳頭の痛みなどの予防になります。

3)×
大きく泣いているときは、上手に吸い付くことができません。また、不機嫌なときは、おっぱいを吸うことも嫌がることがあります。

4)○
母乳を飲むときの口腔内の動きは、吸着、吸啜、嚥下を繰り返します。
吸啜舌吸啜は、舌を波打たせて乳首を押しつぶすことで母乳を引き出します。舌の蠕動運動で母乳を絞りだすようにするため、適切な位置に乳頭があるということが重要です。

5)○
簡単に上手に吸いつくコツは、児が大きな口を開けて、深くくわえることです。
大きな口を開けることで、口先だけで吸いつかずに乳輪全体を深くくわえられます。乳輪のほとんどが口の中へ入り、見えないことが理想的です。
深くくわえることで、母乳も出やすくなり、飲む量も増えていきます。また、乳頭損傷を予防することができます。

0
Aさんは授乳がうまくいかないため、不安を抱いていると考えられます。
児の成長はそこまで異常は感じませんので、Aさんの不安に対して焦点を当てて看護師は介入する必要があると考えます。
授乳のコツなどを伝えて、授乳に対する不安を少しでも軽減できるように介入するのがいいと思います。

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