看護師の過去問
第108回
午後 問204

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問題

看護師国家試験 第108回 午後 問204 (訂正依頼・報告はこちら)

前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia)で正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 進行すると水腎症(hydronephrosis)となる。
  • 外科治療は経尿道的前立腺切除術を行う。
  • 直腸診で石の様な硬さの前立腺を触知する。
  • 前立腺を縮小させるために男性ホルモン薬を用いる。
  • 前立腺特異抗原<prostate specific antigen:PSA>値が100ng/mL以上となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1と2です。

1は、前立腺肥大は、進行すると排尿困難となり膀胱に貯留して水腎症を引き起こすため正解です。

2は、前立腺肥大では、外科的治療は経尿道的前立腺切除術を行うため正解となります。

3は、前立腺の硬さはゴムのような硬さになるので間違いです。

4の男性ホルモンは逆に前立腺肥大の原因なので、抗男性ホルモン薬を使用するので間違いです。

5の前立腺特異抗原<PSA>検査は前立腺がんのスクリーニング検査の一つで、100ng/mlでなく、1ng/ml以上なので間違いです。

参考になった数5

02

正解は1.2です。

前立腺肥大とは、膀胱に隣接して尿道を取り巻く前立腺が大きくなり、尿道を圧迫し排尿にかかわる症状をきたします。
40歳代後半から男性ホルモンの影響を受けて大きくなり始めます。


1 . 進行すると、尿が膀胱にたくさん溜まり腎臓まで上がってきて、水腎症となることがあります。
よって正解です。


2 . 外科治療は経尿道的前立腺切除術を行います。
よって正解です。


3 . 直腸診でゴムのような硬さの物に触れたら、それが前立腺です。直腸診で石の様な硬さの前立腺を触知した場合は前立腺がんの可能性があります。
前立腺肥大ではその名の通り、前立腺が大きくなる病気ですので、硬さは本来と変化はありません。
よって不正解です。


4 . 前立腺を縮小させるために男性ホルモン薬を用いるのではなく、抗男性ホルモン薬を使用します。男性ホルモンが前立腺を肥大させる原因になっているからです。
よって不正解です。


5 . 前立腺特異抗原<PSA>検査は前立腺がんのスクリーニング検査の一つです。しかし前立腺肥大症であっても、PSA値は大きく表れることがあるため判別に注意が必要です。
値が100ng/mL以上ではなく、1ng/ml以上であれば検査をすることを勧められます。
よって不正解です。

参考になった数1

03

正解1.進行すると水腎症となる。
  2.外科治療は経尿道的前立腺切除術を行う。


前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia)

前立腺が肥大することで尿道・膀胱を圧迫して、排尿障害を起こします。
明らかな原因は不明ですが、加齢により男性ホルモンの働きに変化があり、起こるのではないかと考えられています。

症状として、残尿感・頻尿・尿線途絶があります。
膀胱内に残尿があったり、膀胱壁が肥厚すると腎臓から膀胱への尿の流れが悪くなり水腎症を引き起こします。腎機能の悪化にもつながるので注意が必要です。

外科的治療として、経尿道的前立腺切除術があります。内視鏡を挿入して切除用メスに高周波電流を流して前立腺を直視下に切除します。


3.肛門から直腸に指を挿入し前立腺に触れて、前立腺の形や硬さや痛みの有無を確認します。
前立腺肥大症では、全体がゴムのような硬さで大きく腫れているので、石のような硬さではありません。
前立腺に炎症があると痛みがあり、前立腺癌があると硬い腫瘤を触れることがあります。前立腺肥大症以外の疾患の鑑別に必要な検査になります。


4.前立腺肥大症の治療では、男性ホルモンの働きを抑える抗男性ホルモン薬で、肥大した前立腺を小さくします。
男性ホルモンは投与しません。


5.前立腺特異抗原(PSA)値は、前立腺が産生する酵素で精液中に分泌されます。前立腺癌の診断に用いられます。
4ng/ml以下が正常範囲、4.1~10ng/mlグレーゾーン、それ以上になると癌の可能性が高くなっていきます。
前立腺肥大症でも高くなることがあるので、他の検査結果と総合して判断していきます。

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