看護師の過去問
第108回
午後 問222

1 . 兎糞便
×不正解
便秘症、便秘型の過敏性腸症候群で見られます。
水分が不足することで、便がコロコロに変化します。よって、不正解です。

2 . タール便
×不正解
下血（タール便）は上部消化管出血（胃・十二指腸など）の時に見られます。
出血した血液が小腸以下の下部消化管を経過してくる過程で、血液が黒っぽく変化するために起こります。よって、不正解です。

3 . 灰白色便
×不正解
灰白色便は胆道が狭窄する疾患（胆道閉鎖症、胆のう癌などの胆道腫瘍、胆石症）で見られます。
便の茶色～濃茶色は主に胆汁の主成分のビリルビンなので、胆汁が何らかの理由で胆汁が出ない・出せない状態になると便の色は灰～白っぽくなります。
よって、不正解です。

4 . 米のとぎ汁様便
×不正解
感染性胃腸炎（ロタウイルス、ノロウイルス）で見られます。
ウイルスの影響で胆汁が分泌されず、白っぽい下痢状の便に変化します。よって、不正解です。

5 . イチゴゼリー様便
〇正解
イチゴゼリー様便は腸重積で見られます。
陥入した腸管への血流が悪化し、虚血が起こることで粘膜が痛み出血します。ゼリー状の便は腸管からの粘液です。よって、正解です。

正解は5.イチゴゼリー様便です。
腸重積では粘液の混じったイチゴゼリー様便がでます。

1．×
　兎糞便は便秘症でよく見られます。
2．×
　タール便は消化管出血の可能性があります。
3．×
　灰白色の便は胆汁の分泌不良やバリウム検査後などに見られます。
4．×
　米のとぎ汁様の便はコレラやロタウィルスなどの感染症で見られます。

腸重積症とは、回腸（小腸の終わり）が大腸に入り込む病気で、0－2歳児の乳幼児に多い病気です。女児より男児に多いです。
症状として、主に嘔吐・イチゴゼリー状血便・腹痛がみられます。

よって5が正解です。


1 . 兎糞便が見られるのは、腸に機能的な症状が見られる敏感性腸症候群などです。


2 . 暗黒色のタール便がみられるのは、出血が消化液により変色したことによります。上部消化管からの出血に見られます。


3 . 灰白色便がみられるのは、胆汁分泌減少・胃透視のためのバリウムによるものです。腸結核・膵疾患に見られます。

4 . 米のとぎ汁様便がみられるのは、コレラ菌による感染が原因です。