看護師の過去問
第108回
午後 問223

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問題

看護師国家試験 第108回 午後 問223 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。

Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15~20分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1°Cであった。

Aちゃんへの腹部超音波検査の結果、腸重積症(intussusception)の診断が確定し、静脈内注射による鎮静下で高圧浣腸が行われることになった。
看護師が一連の処置の準備をするにあたり、最も重要な物品はどれか。
  • 潤滑ゼリー
  • 替えのおむつ
  • ガーグルベースン
  • 経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>モニター

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この過去問の解説 (3件)

01

高圧浣腸は腸重積の治療法(非観血的整復)の一つです。水圧ではまり込んでしまっている腸を戻します。数時間~数日で再発してしまう可能性もあります。

1 . 潤滑ゼリー
×不正解
潤滑ゼリーは肛門からチューブを入れる際に肛門の摩擦を軽減するために必要です。しかし、選択肢4より重要な物品とは言えないので、不正解です。

2 . 替えのおむつ
×不正解
高圧浣腸後におむつが必要になりますが、選択肢4に比べると重要な物品とは言えないので、不正解です。

3 . ガーグルベースン
×不正解
浣腸をすることにより、迷走神経反射が起こることがあります。その際には、冷汗、顔面蒼白、嘔気などの症状があります。嘔吐することを想定してガーグルベースンを準備することは必要ですが、選択肢4に比べると重要な物品とは言えないので、不正解です。

4 . 経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>モニター
〇正解
浣腸による迷走神経反射により、血圧低下やショックを起こす危険性もあります。Aちゃんは10か月で言葉を話せません。
また、静脈内注射による鎮静下で高圧浣腸が行われるので、呼吸状態やバイタルサインの測定をすることは看護ケアで重要といえます。よって、正解です。

参考になった数1

02

1.×
 浣腸処置を行うにあたって、潤滑ゼリーは必要物品の一つですが、選択肢の中で最も重要、とは言えません。
2.×
 鎮静下で浣腸を施行するため、交換用のおむつも準備しておいたほうがいいですが、選択肢の中では最も重要とはいえません。
3.×
 処置時の迷走神経反射などで嘔気・嘔吐が誘発されることがあるかもしれませんが、最も重要な物品ではないです。
4.〇
 静脈内注射で鎮静した状態で処置を施行するため、バイタルサインのモニタリングは必須です。そのため、この選択肢の中ではSpO2モニターが最も重要と言えます。

参考になった数0

03

静脈内注射による鎮静下で高圧浣腸は、下剤を考慮しても排便が見られない場合などに用いられます。S上結腸・またそれより奥の便の排泄の目的に行われます。


1 . 挿入時にチューブと肛門の摩擦による苦痛を防ぐため潤滑ゼリーは必要であります。しかし4ほど生命に影響はないと考えられるため、不正解です。


2 . このあと5-10分後には浣腸による排便が見られることが考えられるため、敢えて新しい替えのおむつを用意する必要はないと考えられます。
よって不正解です。


3 . 浣腸による迷走神経反射にて嘔気があることが考えられるが、それに気付くためには4のようにバイタルサイン測定を行うことの方が優先順位は高いと考えられるため、今回は不正解です。


4 . 迷走神経反射により、血圧低下・気分不良・めまいなどが起きることが考えられます。バイタルサイン測定で必須項目のSpO2モニターを装着することは最も必要な対応であると考えられます。
よって正解です。

参考になった数0