看護師の過去問
第108回
午後 問226

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問題

看護師国家試験 第108回 午後 問226 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。

Aさん(28歳、初産婦)は、夫(30歳)と2人暮らし。妊娠25週4日に妊娠糖尿病<GDM>(gestational diabetes mellitus)と診断され、インスリンの自己注射を行っている。胎位が骨盤位であったため妊娠38週2日に予定帝王切開術を受け、3,050gの男児を出産した。麻酔は脊髄くも膜下麻酔で、術中の経過に異常はなく、出血量は480mLであった。弾性ストッキングを着用している。児のApgar<アプガー>スコアは1分後8点、5分後10点。児のバイタルサインは直腸温37.3°C、呼吸数45/分、心拍数154/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>99%であった。

手術後1日。Aさんのバイタルサインは、体温37.3°C、脈拍68/分、血圧124/66mmHgであった。排ガスはあるが、排便はない。Aさんは膀胱留置カテーテルの抜去後、看護師に付き添われ歩いて室内のトイレに行った。排尿後、すぐにベッドに横になった。Aさんは「起き上がってから頭が痛くなりました。めまいやふらつきはありませんでした」と看護師に話す。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられた。後陣痛はない。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
  • 手術前から着用している弾性ストッキングを脱がせる。
  • 腹部の冷罨法を行う。
  • 床上排泄を促す。
  • 水分摂取を促す。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 手術前から着用している弾性ストッキングを脱がせる。
×不正解
手術1日目でトイレまで歩いていますが、深部静脈血栓のリスクがまだ高いので、弾性ストッキングは引き続き着用します。よって、不正解です。

2 . 腹部の冷罨法を行う。
×不正解
「子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れる」という情報から、子宮復古は問題ないです。現在のAさんには冷罨法は必要ないので、不正解です。

3 . 床上排泄を促す。
×不正解
Aさんは膀胱留置カテーテルが抜去され、トイレまで歩行しています。バイタルサインや、産褥も現段階で問題ないので、床上排泄を行う必要はありません。離床を図っていく時期です。よって、不正解です。

4 . 水分摂取を促す。
〇正解
出産を終えて、腹部の手術創の影響で便を効果的に排出することが困難になることが予想されます。水分が不足することで、便秘、そして便が固くなってしまうので水分摂取を促していくことが必要です。よって、正解です。

参考になった数2

02

1 . 術後であることから深部静脈血栓症のリスクがあります。よって着用している弾性ストッキングは履いておいた方がいいです。
よって不正解です。


2. 腹部の冷罨法は子宮復古を促すために行われます。Aさんには後陣痛はないものの、子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられたことから、子宮復古は進んでいると考えられます。
よって敢えて冷罨法を行う必要はありません。
よって不正解です。


3 .ふらつきが見えて危険な部分があるが、子宮復古のために離床を進めていくべきです。 床上排泄をする必要はありません。
よって不正解です。


4 .Aさんは帝王切開しており、怒責をかけられません。 排ガスはあるが、排便はないということから便秘であるから、排便しやすいように水分摂取を促す必要があります。
よって正解です。

参考になった数1

03

1.×
 術後1日目であり、血栓予防のための弾性ストッキングはまだ着用が必要です。また、頭痛は弾性ストッキングの着用が原因ではないため、脱がせるというのは不適切です。
2.×
 術後の体温上昇は見られておらず、子宮復古も少しずつ進んできているため、冷罨法は必要ありません。
3.×
 子宮復古を促していくためにも、離床を進めるべきです。床上排泄にする必要はありません。
4.〇
 脱水予防、努責をかけなくてもスムーズに排便できるように、水分摂取を促すことが適切です。

参考になった数0