看護師の過去問
第111回
午前 問5

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問題

看護師国家試験 第111回 午前 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

患者の選択権の行使を最も促進するのはどれか。
  • 父権主義
  • 医師の裁量権
  • コンプライアンス
  • インフォームド・コンセント

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この過去問の解説 (3件)

01

患者の権利は、リスボン宣言などで示されています。

今回の問題では、その中の1つ「患者の選択権」についてです。

a. 患者は、民間、公的部門を問わず、担当の医師、病院、あるいは保健サービス機関を自由に選択し、また変更する権利を有する。

b. 患者はいかなる治療段階においても、他の医師の意見を求める権利を有する。

選択肢1. 父権主義

 父権主義(=パターナリズム)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することを指します。

 医療現場においては、「医者と患者の権力関係」がパターナリズムであると、1970年代初頭に医療社会学者のエリオット・フリードソンによって指摘されました。

選択肢2. 医師の裁量権

 医師の裁量権とは、医師が患者のために最も有効だと判断した医療行為を医師の判断において実施することができる権利です。最終的には患者の利益になると考えられています。

選択肢3. コンプライアンス

 コンプライアンスとは、一般的に「社会規範・倫理を遵守する」という意味であり、命令や指示、要求に従うことを指します。

 医療現場においてのコンプライアンスという言葉は、「患者さんが定められた治療方針や指示を守って服薬をしたり、治療に参加したりすること」という意味でも用いられています。

選択肢4. インフォームド・コンセント

 インフォームドコンセントとは、患者の知る権利、自己決定権、自律の原則を尊重する行為であることを根底に、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスのことをいいます。

まとめ

 父権主義や医師の裁量権は、古い考え方としてまとめられることが多く、現在は医療者と患者が情報共有し合意していくプロセスが尊重されています。

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02

正解 4

インフォームド・コンセントとは、医療職が病気とその治療ついて説明し、患者とその家族は納得したうえで同意することです。

病気やこれから受ける検査や治療について十分に説明を受けることで、患者とその家族は理解し、納得し、同意してから治療や検査を受けることができます。

インフォームド・コンセントを受けることで医療職への信頼関係が高まり、患者とその家族は治療や検査について自由に質問や希望を言うことができます。患者の治療に対する選択権の行使を促すことができます。

1.父権主義とはパターナリズムともよばれ、父親が子どものことを考えて子どもの意向を聞かずに意思決定することをいいます。

医療では患者に良かれと思って医師が意思決定の中心となります。

2.医師の裁量権とは、医師が患者のために最も有効と判断した医療行為を医師の判断だけで実施できる権利です。

3.コンプライアンスとは「法令順守」と日本語に訳されます。企業や組織が、法令や倫理などの社会的な規範から逸脱ぜずに適切に事業を遂行することをいいます。

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03

正解は4です。

インフォームド・コンセント(IC)とは、医者や看護師から医療行為についてわかりやすく説明を受け、納得のいった状態で医療行為に同意することです。現場ではIC(アイ・シー)と言われます。

インフォームド・コンセントを行うにあたって、看護師の役割は、患者・家族が十分に理解し選択ができるように、患者や家族のから情報を収集を集めたり、多職種との橋渡しにもなるようにすることです。

1:父権主義は、パターナリズムの訳です。当人の利益のために当人に代わって意思決定をすることです。

2:医師裁量権は、医師が患者のために有効だと判断した医療行為を医師の判断で実施することができる権利のことです。

3:コンプライアンスは、医療現場では、患者が医療提供者の決定に従って行動をとることです。

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