看護師の過去問
第111回
午前 問51
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問題
看護師国家試験 第111回 午前 問51 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(54歳、女性)は甲状腺機能亢進症(hyperthyroidism)と診断され、放射性ヨウ素内用療法を受けることとなった。
看護師の説明で正しいのはどれか。
看護師の説明で正しいのはどれか。
- 「治療前1週間は海藻類を摂取しないでください」
- 「治療中は体を固定します」
- 「治療後の副作用に脱毛があります」
- 「治療後1週間は生野菜を摂取しないでください」
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この過去問の解説 (3件)
01
放射性ヨウ素内用療法とは、バセドウ病や甲状腺がんの治療法です。
体内に吸収された放射性ヨウ素の60%以上が、甲状腺細胞に取り込まれるという
性質を利用した治療法になります。
まずは、放射性ヨウ素の一つである、ヨウ素131というアイソトープの入った
カプセルを飲みます。その後、甲状腺に集まった放射性ヨウ素は放射線を発し、
甲状腺ホルモンを作る細胞を徐々に破壊していきます。
バセドウ病では、甲状腺ホルモンを作る細胞が少なくなり、
甲状腺の働きが正常化します。
甲状腺がんでは、がん細胞を破壊し、転移したがんも破壊します。
この治療では、治療の1~2週間前から、ヨードを含む食品を制限する必要が
あります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の方は1週間前から、甲状腺がんの方は
2週間前から、ヨードを制限した食事にする必要があります。
ヨードは海藻類に多く含まれており、
昆布やひじき、もずく、わかめは、食べないようにしてもらいます。
特に昆布は制限が必要です。昆布だしやだし顆粒も避けてもらいます。
治療中に身体を固定するのは、放射線治療の時です。よって不正解です。
副作用に脱毛がある治療は、抗がん剤の治療です。よって不正解です。
生野菜は制限なく食べられます。
生野菜の制限が必要な疾患は、腎臓病や透析治療中の方です。
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02
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺が働きすぎている状態で、身体機能の働く速度が上昇します。原因としてバセドウ病や甲状腺炎などが挙げられます。
放射性ヨウ素内用療法とは、食物のヨウ素が甲状腺に取り込まれることを応用した内服の治療方法です。放射線ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、甲状腺にとどまり、甲状腺細胞の数を減らします。これによって、甲状腺の腫れが引き、甲状腺ホルモンの産生や分泌を減らすことができます。
正しいです。
海藻類はヨウ素が大量に含まれている食品の代表例です。
放射性ヨウ素内用療法では、甲状腺のヨウ素の取り込み量が重要となってきます。治療効果が十分得られない可能性や治療効果の判定ができない可能性があるため、ヨウ素制限が必要です。
誤りです。
放射性ヨウ素内用療法はカプセルを1回だけ内服する治療です。
がん治療などに用いられる放射線治療と混在しないようにしましょう。
誤りです。
放射性ヨウ素内用療法の副作用は甲状腺機能低下症や甲状腺眼症が挙げられます。
内服した放射線ヨウ素はほとんどが甲状腺に取り込まれるため、副作用が少ないことが特徴です。
脱毛の副作用は、局所的に頭皮にダメージ与える治療の場合や、全身の細胞に治療が必要な薬剤に起こりやすいです。
誤りです。
放射性ヨウ素内用療法は治療前1週間と治療後3日間程度のヨウ素制限がありますが、生野菜の摂取制限はありません。
「生野菜を摂取しない」といった説明が必要な場合は、腎臓機能が低下している透析患者や、免疫不全状態の患者への説明などです。
放射性ヨウ素内用療法などの内部照射と、放射線治療などの外部照射を混在しないようにしましょう。
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03
正解は 1 です。
放射性ヨウ素内用療法は、放射性ヨウ素が含まれたカプセルを内容する治療です。体内に吸収された放射性ヨウ素が甲状腺に集まり、放射線を発することで甲状腺細胞を破壊し、甲状腺機能亢進症を治療します。
1.海藻類はヨウ素を多く含む食品であり、治療前に摂取してしまうと放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みが低下し、治療の妨げとなります。そのため治療前1週間はヨウ素を含む食品は摂取しません。
2.体は固定する治療は骨折など創外固定を行う場合です。よって誤りです。
3.放射性ヨウ素内用療法に伴い、一時的に甲状腺機能低下がみられることもありますが、副作用はほとんどない治療法です。副作用に脱毛があるは誤りです。
4.治療後は3日ほどヨウ素を含む食事を制限する必要があります。よって1週間は誤りです。
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