看護師の過去問
第111回
午前 問55

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問題

看護師国家試験 第111回 午前 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者の健康障害の特徴で正しいのはどれか。
  • 症状の出現は定型である。
  • 治療の効果が現れやすい。
  • 疾患の発生に心理的要因の影響は少ない。
  • 薬物の副作用〈有害事象〉が発生しやすい。

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この過去問の解説 (3件)

01

高齢者は、肝臓の機能低下から薬を分解する能力が低下しており、

また、腎機能の低下から、薬を排出する能力も低下しています。

よって、薬が効きすぎたり、副作用が強く出ることがあります。

選択肢1. 症状の出現は定型である。

高齢者の場合、病気の症状の出現は、身体的恒常性の低下から非定型です。

また、複数の疾患を併せ持っていたりすることで、その症状は複雑になります。

肺炎でも発熱しなかったり、病気本来の症状が出にくいため、

診断が難しくなることがあります。

選択肢2. 治療の効果が現れやすい。

高齢者は、治療に対する効果が現れにくい特徴があります。

肝臓での代謝能力の低下、腎臓での排出能力の低下、消化管での

消化吸収能力の低下などから、薬に対する効果が出にくくなっています。

選択肢3. 疾患の発生に心理的要因の影響は少ない。

高齢者の疾患の発生には、心理的要因の影響は強く表れます

高齢者は、精神的機能の低下から、うつ状態などが起きやすく、

引きこもりがちになったり、寝たきりになったりすることで、

別の疾患を引き起こす悪循環を起こしやすいです。

選択肢4. 薬物の副作用〈有害事象〉が発生しやすい。

高齢者は、肝機能や腎機能の低下、消化吸収能の低下などから、

薬が効きにくく、副作用がでやすい特徴があります。

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02

高齢者は恒常性を維持するための防衛力・予備力・適応力・回復力が低下します。

選択肢1. 症状の出現は定型である。

高齢者の症状・病気の経過は典型的ではありません

これは防衛力低下のため、症状の徴候が不明瞭となり、自覚症状が乏しくなります。

選択肢2. 治療の効果が現れやすい。

高齢者は回復力の低下から疾患が慢性化しやすく、防衛力の低下から合併症をおこしやすいです。若年者と比べると治療効果が思うようにでない場合があります。

選択肢3. 疾患の発生に心理的要因の影響は少ない。

社会的立場の喪失や近親者の死別などから喪失感や環境の変化があり、精神機能の低下を招く原因になり得ます。

精神機能の低下がうつ病を誘発する可能性も指摘されています。

選択肢4. 薬物の副作用〈有害事象〉が発生しやすい。

高齢者は腎機能が低下しており、薬物の排泄ができず体内に蓄積しやすいため、副作用や有害事象が発生しやすいです。

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03

正解は 4 です。

1.身体の恒常性を維持するための防衛力が低下します。

そのため疾患特有の症状や徴候が不明瞭となるため、症状の出現は非定型です。

2.身体の恒常性を維持するための回復力が低下します。

治癒可能な骨折や切創なども治癒に時間を要し、治療効果は表れにくくなります。

3.疾患の発生には心理的側面・社会的側面と密接に関わりあっています。

心理的側面ではうつ病などから活動量低下に繋がり、フレイルサイクルへと移行したのち、他の疾患に繋がることがあります。

.高齢者は臓器の予備能、代謝の低下に伴い、薬物アレルギーや血中濃度の過剰な上昇による有害事象が発生しやすいです。

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