看護師の過去問
第111回
午前 問69

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問題

看護師国家試験 第111回 午前 問69 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(73歳、男性)は慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。受診時にAさんが「1人でお風呂に入っているが、息切れが強い」と訴えたため、外来看護師は入浴時の具体的な状況を確認した。
外来看護師がAさんに確認した内容で、息切れの原因と考えられるのはどれか。
  • 入浴はシャワー浴にしている。
  • 椅子に座って更衣を行っている。
  • 洗髪時に鼻カニューレを外している。
  • 浴室の扉を開けたまま入浴している。

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この過去問の解説 (3件)

01

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、労作時に呼吸困難の症状があります。

選択肢1. 入浴はシャワー浴にしている。

シャワー浴は比較的に労作時に負担が生じにくいため、呼吸困難の症状がある際は行います。

選択肢2. 椅子に座って更衣を行っている。

椅子に座って更衣することは、立位で更衣するより身体に対する負担が少ないので行います。

選択肢3. 洗髪時に鼻カニューレを外している。

鼻カニューレを外すことによって、酸素供給が不十分になり、呼吸困難の症状が発生していると考えられます。

選択肢4. 浴室の扉を開けたまま入浴している。

浴室の扉を開けて入浴することで呼吸困難の症状は発生しないと考えられます。

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02

慢性閉塞性肺疾患(COPD)では低酸素血症により呼吸困難(息切れ)が起きます。清潔行動は酸素消費量が多くなるので、酸素吸入を継続すること、酸素消費量を少なくする行動を心がけることで呼吸困難が軽減できます。ここでは酸素消費量が増大する清潔動作について問われている問題です。

選択肢1. 入浴はシャワー浴にしている。

入浴は静水圧により体表面の静脈が圧迫され心臓に押し戻される血流量と拍出量も増加することに加え横隔膜が押し上げられ肺の容積が小さくなり、補うため呼吸数が増加し酸素消費量が増加します。そのためシャワー浴のほうが呼吸困難(息切れ)は起こりにくいため息切れの原因ではありません。

選択肢2. 椅子に座って更衣を行っている。

立って更衣をするより、椅子に座ったほうが酸素消費量が少ないため息切の原因ではありません。

選択肢3. 洗髪時に鼻カニューレを外している。

酸素消費量が大きくなる清潔行動においては酸素吸入が必要です。洗髪時に鼻カニューレを外していることが息切れ増強の原因と考えられるため正解といえます。

選択肢4. 浴室の扉を開けたまま入浴している。

浴室の扉を開けて入浴することで冷気が入り風邪をひく心配はありますが、直接的な息切れの増強は考えにくいため息切の原因ではありません。

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03

正解は 3 です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)には労作時呼吸困難などの症状が生じます。

1.シャワー浴と比較して、湯船につかることは労作時の酸素消費量は増加します。

よって他の選択肢と比較し不適切です。

2.座位での更衣と比較して、立位での更衣は酸素消費量は増加します。

よって他の選択肢と比較して不適切です。

3.洗髪等の清潔行為時には、安静時と比較して酸素消費量が増加します。

今回の患者様はHOTを利用しています。鼻カニューレを外すことで酸素供給が不十分となって息切れが生じていると考えられます。

よって息切れの原因となっていると考えられます。

4.浴室の扉を開けて入浴することで、寒暖差による循環動態、呼吸動態への影響も考えられます。しかし、息切れの原因になるとは考えにくいです。

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