看護師の過去問
第111回
午前 問96

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問題

看護師国家試験 第111回 午前 問96 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み以下の問いに答えよ。

Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全(chronic renal failure)のため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。

Aさんは「主治医からCAPDの合併症に腹膜炎(peritonitis)があると聞きました。腹膜炎(peritonitis)に早く気付くにはどうすればよいですか」と看護師に質問した。
Aさんに指導する観察項目はどれか。2つ選べ。
  • 腹痛
  • 体重の増加
  • 腹部の張り
  • 下肢のむくみ
  • 透析液の排液のにごり

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1、5です。

 腹膜透析では腹腔内にカテーテルを入れているので、腹膜に感染が起こりやすいため注意が必要です。腹膜炎が起こると、バッグ交換時の排液の濁り、発熱や腹痛、悪心、嘔吐、下痢、便秘などの症状が現れます。 

 

また、体重の増加やむくみは、体液過剰のサインです。体液過剰が疑われる場合、まずは減塩、飲水制限を行います。

腹膜透析を開始した直後は、腹膜透析液貯留によるお腹のはりを感じる場合があります

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02

連続携行式腹膜灌流法(CAPD)の合併症には、

腹膜炎、カテーテル出口部感染、トンネル感染、被嚢性腹膜硬化症(EPS)などがあります。

腹膜炎は、腹腔の中に細菌が入って炎症を起こす合併症で、

透析液(排液)のにごり、腹痛、発熱、悪心、吐き気、下痢、便秘などの症状がでます。

腹膜炎を起こすと、腹膜の機能が低下し、

腹膜透析を継続できる期間が短くなったりする原因にもなるため、

予防や早期発見が重要になってきます。

選択肢1. 腹痛

腹膜炎の症状として、

腹痛があります。

よって、該当します。

選択肢2. 体重の増加

体重の増加は、体液過剰の症状ですので、

腹膜炎の症状には当てはまりません。

体液が過剰の時は、飲水制限や、塩分制限などでの

コントロールが必要です。

選択肢3. 腹部の張り

腹部の張りは、腹膜炎の症状には当てはまりません。

CAPD開始時、透析液を腹腔内に入れると、

腹部の張りを感じることがあります。

選択肢4. 下肢のむくみ

下肢のむくみは、腹膜炎の症状には当てはまりません。

体液過剰の症状になりますので、

まずは水分制限や塩分制限を行います。

選択肢5. 透析液の排液のにごり

透析液の排液のにごりは、

腹膜炎の症状です。

にごりがあった場合は、腹膜炎を合併している可能性があるため、

すぐに受診するよう、指導が必要です。

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03

正解は 1・5 です。

連続携行式腹膜灌流法(CAPD)の合併症に腹膜炎があります。

カテーテルを介して、細菌感染すると腹膜炎が生じます。

症状としては、腹痛、発熱、透析液の混濁があります。

1.腹痛は症状の一つのため指導の必要があります。

2.体重の増減は症状にありません。

3.腹部の張りは症状ではありません。

4.下肢の浮腫みは症状ではありません。

5.透析液の混濁は症状の一つのため指導が必要です。

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