ボタン型電池が消化管壁に張り付くと、電気分解によってアルカリ性の液体が作られ、短時間で消化管壁に損傷を起こします。
×：不適切
背部の殴打は、異物を飲み込み喉に詰まらせた時に実施する処置です。
ボタン型電池が食道下部にあることが確認されているため、適切ではありません。
×：不適切
緩下薬は、小腸や大腸を直接刺激し、腸管の蠕動運動を亢進させる作用があります。
ボタン型電池は食道下部にあることが確認されているため、適切ではありません。
×：不適切
催吐薬は、胃洗浄では除去しづらい、比較的大きな固形物の除去で使用されます。
小さいボタン型電池には効果が期待できないため、催吐薬の使用は適切ではありません。
○：適切
ボタン型電池は、消化管壁などに接触して下顎熱唱を起こす危険性があるため、緊急摘出術の実施が適切です。
今回は「小児の誤飲時の対応」に関する問題です。
今回の問題で誤飲してしまったボタン型電池は消化管の内壁にはりつくと、電気分解により電池から蛋白質を溶かす性質をもつアルカリ性の液体が漏れ出て、短時間で化学熱傷を引き起こす可能性があり危険です。
背部の叩打は、異物を誤飲して喉に詰まった場合に実施する対応方法です。
しかし、今回の問題ではボタン型電池が食道下部にあることが確認されるため適切ではありません。
緩下薬は、小腸や大腸を直接刺激して腸管の蠕動運動を亢進させる作用があります。
しかし、今回の問題ではボタン型電池が食道下部にあることが確認されるため適切ではありません。
催吐薬は胃洗浄では除去しにくい、比較的大きな固形物の除去ができます。
しかし、今回の問題ではボタン型電池は小さいことから効果はそこまで期待できないため、適切ではありません。
ボタン型電池の誤飲では消化管での化学熱傷を引き起こす危険性があるため、緊急摘出術で対応されることが一般的です。
よって、これが正解になります。
今回は「小児の誤飲時の対応」に関する問題でした。
誤飲時の対応は小児と成人では少し異なります。
これを契機に合わせて知識を確認しておくことをお勧めします。
正解は４です。
小児がボタン型電池を誤飲した場合、窒息リスクのほかに、ボタン型電池が粘膜などに接触して化学熱傷のリスクがあり、特に迅速な対応が求められます。
各選択肢については以下の通りです。
1 .背部の叩打→１歳以下の窒息が疑われる場合に行われる背部叩打法です。
2 .緩下薬の使用→異物が胃内や胃より下部にある場合に、スムーズに排泄するために使用することがあります。
3 .催吐薬の使用→安易に吐かせることはありません。
4 .緊急摘出術の実施→食道異物は基本的には摘出術を行います。
