看護師の過去問
第112回
午前 問50
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問題
看護師国家試験 第112回 午前 問50 (訂正依頼・報告はこちら)
重度の肝硬変(cirrhosis)で基準値よりも低い値を示す血液検査項目はどれか。
- 血清アルブミン<Alb>
- 血清ビリルビン<Bil>
- 血中アンモニア<NH3>
- プロトロンビン時間<PT>
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この過去問の解説 (3件)
01
肝硬変とは、慢性的に肝臓に炎症が起こることで肝臓内に繊維組織が増え、肝臓が硬くなる疾患です。
肝臓の主な働きは蛋白の合成、エネルギーの貯蔵、有害物質の解毒(代謝)、胆汁の生成です。肝硬変によって肝機能が低下することで、さまざまな影響が生じます。
○:正しい
アルブミンは肝臓で作られる蛋白質です。
肝硬変になると蛋白の合成機能が障害されるため、低アルブミン血症となります。
×:誤り
ビリルビンとは赤血球が分解される際に生じる色素であり、肝臓に運ばれた後に胆汁中に排泄されます。
肝硬変になるとビリルビンが代謝できなくなり、血清ビリルビンは高値になります。
×:誤り
アンモニアとは蛋白質の分解産物であり、肝臓で尿素となった後に尿中に排泄されます。
肝硬変になると解毒(代謝)機能が低下するため、血中アンモニアは高値になります。
×:誤り
プロトロンビンとは血液凝固作用のある蛋白質であり、肝臓で合成されます。
肝硬変になると蛋白の合成機能が障害されるためプロトロンビンは減少し、血液が凝固するのに時間がかかるようになるため、プロトロンビン時間は延長します。
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02
肝硬変の病態を解答するには、まず肝臓の機能を理解することが前提です。病態を、各器官の構造や機能と関連付けて理解するようにしましょう。
正解です。アルブミンは肝臓で合成されるため、肝機能が低下するとアルブミンの数値も低下します。
誤りです。肝臓は解毒機能があるため、肝機能が低下するとビリルビンが血中に残ったままになり、ビリルビンの数値が上昇します。
誤りです。アンモニアは肝臓で破壊されます。解毒機能が低下するとアンモニアの数値が上昇します。
誤りです。プロトロンビンは血液の凝固因子で、肝臓で合成されます。肝機能が低下するとプロトロンビンが減少するため、血液凝集がしにくくなり、プロトロンビン時間は延長します。
肝臓には数多くの機能がありますが、タンパク合成、解毒、胆汁分泌と合成、糖質や脂質の一時的貯蔵は最低限覚えるようにしましょう。また、肝臓に限らず、病態は各器官の構造と機能をしっかりおさえていれば理解できるようになります。人体の構造と機能からしっかり理解するようにしましょう。
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03
肝硬変の検査において、肝細胞壊死で高値を示すのはAST、ALT、LDH、直接ビリルビンなどです。肝臓の合成機能が障害されて低値となるのは、アルブミン(Alb)、コリンエステラーゼ(ChE)などで、プロトロンビン時間(PT)は延長します。
正解です。重度の肝硬変では肝臓の蛋白質の合成機能が障害されるため、血清アルブミン(Alb)は低値を示します。
誤りです。重度の肝硬変では肝臓の代謝・解毒機能が低下するため、肝細胞から直接ビリルビンが排出できなくなり、血清ビリルビン(Bil)は高値をします。
誤りです。重度の肝硬変では、腸管でのアンモニアの産生が増加します。そこに肝臓の代謝・解毒機能の低下が加わり、血中アンモニア(NH3)は高値を示します。
誤りです。重度の肝硬変では肝臓の合成能が低下するため、血液凝固因子であるプロトロンビン時間(PT)は延長します。
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