看護師の過去問
第112回
午前 問68
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問題
看護師国家試験 第112回 午前 問68 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(85歳、男性)は1人暮らしで判断能力が不十分である。4親等以内の親族はいない。
訪問看護事業所におけるAさんの情報管理で適切なのはどれか。
訪問看護事業所におけるAさんの情報管理で適切なのはどれか。
- 成年後見人にAさんの訪問看護計画を説明する。
- 地域の民生委員にAさんの経済状況を知らせる。
- Aさんの訪問記録を電子メールに添付して援助者間で共有する。
- 新たなサービスの利用を検討する他の利用者にAさんのケアプランを見せる。
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この過去問の解説 (3件)
01
在宅療養者の権利を擁護する成年後見制度と、訪問看護における個人情報の保護の重要性について押さえておきましょう。
○:適切
成年後見制度とは、判断能力が不十分な方の権利を守るために援助者(成年後見人)を選び、本人を支援する制度です。家庭裁判所によって適切な援助者が選ばれ、身上監護、日常生活支援、財産管理、法律行為などの意思決定を支援します。
身上監護とは、医療・介護等に関する契約手続きを進める法律行為を指します。そのため、成年後見人にAさんの訪問看護計画を説明することは適切です。
×:不適切
民生委員とは、民生委員法に基づいて地域住民の抱える課題についての相談や支援活動を行う役割を担っています。
訪問看護事業所から、民生委員に個人の経済状況を知らせることは不適切です。
×:不適切
Aさんの訪問記録を電子メールに添付して共有する場合、誤送信や第三者のアクセスによって内容を閲覧されるなどの情報漏洩リスクがあるため、適切ではありません。
×:不適切
個人情報保護の観点から、Aさんのケアプランを他の利用者に見せることは、適切ではありません。
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02
成年後見制度と被後見人の個人情報に関する問題です。もちろん、被後見人もプライバシーや個人情報を保護する必要があります。1つずつ確認していきましょう。
正解です。後見人に被後見人の支援計画について説明する事は大切です。
誤りです。民生委員とは住民から生活に関する相談を受け、支援を行う地方公務員です。また、経済状況は個人情報に該当するため、許可なく個人情報を開示してはいけません。
誤りです。個人情報に当たる情報を他者と共有するのは好ましくありません。
誤りです。他の利用者にケアプランを開示するのは個人情報保護として好ましくありません。
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03
この問題のポイントは以下の通りです。
①身寄りのない方への法制度
②判断能力の低下している方の意思決定
これらを踏まえて問題を解いていきましょう。
正解です。
親族がいないこと、判断能力も低下していることから、自身での意思決定が困難です。そのため、成年後見人財産管理や契約の締結や解除、患者の保護・支援を行います。そのため成年後見人に訪問看護計画を説明することが適切といえます。
民生委員とは地方公務員であり、地域住民からの相談業務や支援活動を行います。医療に関する決定権はなく、解答としては不適切です。
援助者間での情報共有は重要ですが、個人情報保護の観点から電子メールに患者情報を記載することは不適切です。
他者へAさんのケアプランを見せることは個人情報の観点から不適切です。
訪問看護サービスだけに留まらず、治療上の判断などが求められる場合は臨床現場では多々あります。患者本人の判断能力の欠如や親族のいない場合、判断を行うために成年後見制度があります。あらためて制度について整理しておきましょう。
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