看護師の過去問
第112回
午前 問87

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問題

看護師国家試験 第112回 午前 問87 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者に脱水が起こりやすくなる要因はどれか。2つ選べ。
  • 骨量の減少
  • 筋肉量の減少
  • 細胞内液量の減少
  • 渇中枢の感受性の亢進
  • 抗利尿ホルモンの反応性の亢進

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この過去問の解説 (3件)

01

成人の体の約60%は水分ですが、体内水分量は加齢によって変化します。

高齢になると体内水分量は約50%に低下し、さらに渇中枢機能や腎機能の低下により脱水が起こりやすくなります

選択肢1. 骨量の減少

×:誤り

 

高齢になると骨量は減少しますが、脱水の原因にはなりません。

選択肢2. 筋肉量の減少

○:正しい

 

高齢になると体内の水分を蓄える筋肉量が減少するため、脱水が起こりやすくなります。

選択肢3. 細胞内液量の減少

○:正しい

 

高齢になると皮下組織や筋肉に含まれる細胞内液が減少するため、脱水が起こりやすくなります。

選択肢4. 渇中枢の感受性の亢進

×:誤り

 

高齢になると渇中枢の感受性が低下し、口渇を感じにくくなるため、脱水が起こりやすくなります。

選択肢5. 抗利尿ホルモンの反応性の亢進

×:誤り

 

高齢になると抗利尿ホルモンの反応性が低下し、腎臓での水の再吸収がうまく行われず、大量の尿として排出されます。その結果、体内の水分量が低下し、脱水が起こりやすくなります。

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02

高齢者は様々な要因により脱水が起こりやすいです。その要因をひとつずつ確認していきましょう。

選択肢1. 骨量の減少

誤りです。骨量が減少すること自体は間違ってはいませんが、脱水が起こりやすくなる原因とは異なります。

選択肢2. 筋肉量の減少

正解です。筋肉の特徴として水分を蓄えているため、筋肉量が減少すると体内の水分量も減少します。結果として脱水が起こりやすくなります。

選択肢3. 細胞内液量の減少

正解です。加齢に伴い、細胞内に含まれる水分量が減少するため、脱水が起こりやすくなります。

選択肢4. 渇中枢の感受性の亢進

誤りです。渇中枢の感受性が低下するため、口渇を感じにくくなります。結果として水分の摂取量が減少し、脱水になりやすくなります。

選択肢5. 抗利尿ホルモンの反応性の亢進

誤りです。抗利尿ホルモンの反応性が低下することで排尿が促され、脱水の原因となったり排尿回数が増加したりします。

まとめ

排尿回数が多いあるいは排尿にトラブルを抱えている、水分をあまりとらないなどの脱水に関する問題は臨床でも起こっています。トイレが近くなるからという理由で水分摂取を控える高齢者もいますが、脱水予防の為にも水分摂取は促すようにしましょう。

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03

この問題のポイントは以下の通りです。

『高齢者の生体機能の特徴とは』

これを踏まえて問題を解いていきましょう。

選択肢1. 骨量の減少

骨量の減少は脱水の要因ではありません。

選択肢2. 筋肉量の減少

正解です。

高齢者では筋肉量が減少します。

筋肉は水分を含みますので、脱水の要因となります。

選択肢3. 細胞内液量の減少

正解です。

高齢者では細胞内液が減少します。

細胞内液は水分のため、脱水の要因となります。

選択肢4. 渇中枢の感受性の亢進

高齢者では渇中枢の感受性は低下します。

選択肢5. 抗利尿ホルモンの反応性の亢進

加齢により抗利尿ホルモンの反応性は低下します。

まとめ

高齢者は成人と比べて体内の水分量が低下することや、ホルモンや中枢の低下など、さまざまな原因によって脱水をきたします。

高齢者の生体機能の特徴を整理しておきましょう。

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