看護師の過去問
第112回
午前 問102
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問題
看護師国家試験 第112回 午前 問102 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(75歳、男性)は妻(75歳)と2人暮らしで、15年前にParkinson<パーキンソン>病(Parkinson disease)と診断された。7年前よりレボドパ<L−dopa>を1日3回内服している。Hoehn & Yahr<ホーエン・ヤール>重症度分類のステージⅣで、要介護2である。妻は腰痛のため毎日リハビリテーション目的で通院中である。妻の介護負担を軽減するため、Aさんは毎月10日間、介護老人保健施設の短期入所<ショートステイ>を利用している。今回は妻の腰痛が増強したため、Aさんは予定を早めて入所した。Aさんは握力が低下しているが、スプーンを使用し自力で食事を摂取している。食事中に姿勢が崩れることが多く、むせや食べこぼしがある。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
妻の腰痛が改善したため、Aさんは自宅に戻ることになった。Aさんは「妻に負担をかけないように自分で動けるようになりたい。自宅でできる運動や注意することを教えてください」と看護師に話した。
Aさんへの指導で適切なのはどれか。
Aさん(75歳、男性)は妻(75歳)と2人暮らしで、15年前にParkinson<パーキンソン>病(Parkinson disease)と診断された。7年前よりレボドパ<L−dopa>を1日3回内服している。Hoehn & Yahr<ホーエン・ヤール>重症度分類のステージⅣで、要介護2である。妻は腰痛のため毎日リハビリテーション目的で通院中である。妻の介護負担を軽減するため、Aさんは毎月10日間、介護老人保健施設の短期入所<ショートステイ>を利用している。今回は妻の腰痛が増強したため、Aさんは予定を早めて入所した。Aさんは握力が低下しているが、スプーンを使用し自力で食事を摂取している。食事中に姿勢が崩れることが多く、むせや食べこぼしがある。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
妻の腰痛が改善したため、Aさんは自宅に戻ることになった。Aさんは「妻に負担をかけないように自分で動けるようになりたい。自宅でできる運動や注意することを教えてください」と看護師に話した。
Aさんへの指導で適切なのはどれか。
- 「毎日30分間の階段昇降を行いましょう」
- 「歩行時に腕を大きく振りましょう」
- 「小刻みに歩くようにしましょう」
- 「毎日1km歩きましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
Aさんのようにパーキンソン病を持つ方への運動指導では、安全性を確保しつつ、症状を緩和し生活の質(QOL)を向上させることを目的とします。
特に歩行時の注意点や安全に行える運動の方法を伝えることが重要です。
階段昇降は負荷が大きく、パーキンソン病の症状が進行したAさん(ステージⅣ)には不向きです。
筋力低下やバランスの問題から転倒リスクが高まり、非常に危険です。
正解です。
パーキンソン病の特徴的な症状である動作の固さや歩行時の前傾姿勢に対し、腕を大きく振ることは効果的です。
腕を振ることで体全体のバランスが取りやすくなり、転倒予防や歩行能力の改善が期待されます。
パーキンソン病の患者では小刻み歩行が特徴的に現れますが、これは症状の一つであり、意識的に行うものではありません。
むしろ、歩幅を意識的に広げるように指導することで、転倒リスクの軽減や歩行能力の向上につながります。
距離を目標にすると、体力や症状に合わない無理な運動になる可能性があります。
パーキンソン病の運動指導では、運動の量や負荷よりも安全性と継続性が重視されます。
運動は無理のない範囲で行うことが大切です。
その他にも、歩行補助具の使用や家の中の環境整備(段差解消や手すり設置など)についても検討し、安心して生活できる環境を整えることが重要です。
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02
パーキンソン病の歩行特徴として、
歩き始めの一歩が出にくい「すくみ足歩行」、
歩幅が極端に小さくなり、歩行が小刻みになる「小刻み歩行」
歩行のスピードがだんだんと上がって止まれなくなる「突進歩行」があります。
パーキンソン病の症状の特徴にすくみ足があります。
歩行の意志があるにもかかわらず、
はじめの一歩が出にくい状態です。
階段昇降は、段差をまたぐ際にすくみ足になり、
転倒リスクを高めるため適切ではありません。
すくみ足は、メトロノームや声掛け、腕を一定リズムでふる等、
リズムをつけて歩くことで改善がみられることがわかっています。
小刻み歩行は、
パーキンソン病患者に特徴的な歩行で、
歩幅が極端に小さくなり、歩行が小刻みになることをいいます。
設問患者はHoehn & Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅣです。
これは、起立や歩行など日常生活動作が非常に困難で多くの介助を必要とする状態です。
毎日1km歩くことは患者の現在の状態から適切ではありません。
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03
パーキンソン病における理学療法は、歩行障害の改善をはかるために行います。歩行障害とは、振戦、動作緩慢、筋強剛、姿勢が不安定になる等の症状により、歩行時の腕振りの低下、足の引き摺り、加速・小刻み歩行、椅子から立ち上がりにくいなどの障害があります。
各選択肢については、以下のとおりです。
パーキンソン病では、平地歩行よりも階段昇降の方が行いやすいと言われています。しかし、片足を上げる動作は姿勢が不安定になりやすく、転倒・転落のリスクが高いです。よって、自宅で安全に行う運動としては、不向きとなります。
パーキンソン病の歩行障害のひとつとして、腕振りの低下があります。腕を大きく振ることによって安定した歩行ができるようになるため、歩行時は意識的に腕を大きく振り、歩幅も大きくすることを意識することが大切となります。よって、この選択肢が正解です。
パーキンソン病の歩行障害のひとつとして、小刻み歩行があります。小刻みに歩くことで加速しやすく、転倒につながります。慌てずにゆっくり歩く、歩幅を大きくすることを意識する、リズムをとりながら歩くといった方法で、小刻み歩行を改善することができます。
設問において、Aさんは、妻に負担をかけたくない、自宅でできる運動を知りたいということを言っています。毎日1㎞の歩行は、自宅で行うには難しく、またAさんにとっては距離も長すぎることから、この選択肢は不正解となります。
パーキンソン病の症状には、運動症状と非運動症状があります。なかでも、運動症状はパーキンソン病に特徴的な症状が多いので、診断においても重要となります。ぜひ覚えておきましょう。
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