看護師の過去問
第112回
午前 問107

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問題

看護師国家試験 第112回 午前 問107 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(33歳、初産婦、会社員)は夫と2人で暮らしている。妊娠28週5日、夕方から下腹部に生理痛のような痛みを感じ、少量の性器出血があったため来院した。来院時、子宮口2cm開大、未破水、8分おきに20秒持続する子宮収縮があり、切迫早産(threatened premature delivery)と診断された。子宮収縮抑制薬(リトドリン塩酸塩)の点滴静脈内注射と安静による治療が開始された。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

切迫早産(threatened premature delivery)の症状がなくなり、Aさんは妊娠35週0日で退院した。妊娠36週0日に妊婦健康診査のために来院した。ノンストレステスト<NST>を実施中に、「気分が悪い」とナースコールがあり看護師が訪れると、Aさんは仰臥位になっていた。
Aさんへの対応で看護師が最初に行うのはどれか。
  • 医師に報告する。
  • 血圧測定を行う。
  • 左側臥位にする。
  • 酸素吸入を行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題でポイントとなるのは、

妊娠末期の妊婦に起こりやすい仰臥位低血圧症候群です。

各選択肢については、以下のとおりです。

選択肢1. 医師に報告する。

医師への報告は大切ですが、

悪心をきたした際にまず行う対処としては不適切といえます。

選択肢2. 血圧測定を行う。

血圧測定は大切ですが、

悪心をきたした際にまず行う対処としては不適切といえます。

選択肢3. 左側臥位にする。

「仰臥位低血圧症候群」妊娠末期の妊婦が仰臥位になった際、

子宮が下大静脈を圧迫し、右心房への循環血液量が減少し、心拍出量が減少、低血圧をきたします。

低血圧性ショックをきたすと、頻脈・悪心・嘔吐・冷感・顔面蒼白の症状をきたします。

そのためまず行う対処としては、

妊婦を左側臥位に寝かせ、右心系に血液を戻す「シムス位」が最優先となります。

選択肢4. 酸素吸入を行う。

ショックをきたした際に呼吸不全を伴う場合もありますが、

この場合にまず行う対処としては不適切といえます。

まとめ

仰臥位低血圧症候群について、十分に理解して覚えておきましょう。

参考になった数1

02

ノンストレステスト(NST)は、胎児心拍数と胎動の関連性を確認し、胎児の健康状態を評価する検査です。
妊娠36週で行う場合、胎児の健康状態を確認するために重要な検査です。
しかし、検査中に仰臥位になると、大きくなった子宮が下大静脈を圧迫し、仰臥位低血圧症候群を引き起こす可能性があります。
この状態では静脈還流が減少し、心拍出量が低下して気分不良や血圧低下が起こるため、迅速に左側臥位にする対応が必要です

 

選択肢1. 医師に報告する。

症状への対応を行った後、医師に状況を報告するのが適切な順序です。
まずは仰臥位低血圧症候群の可能性を考え、体位変更による対応を優先します。

 

選択肢2. 血圧測定を行う。

血圧測定は、状態を確認するために重要ですが、まずは左側臥位にして症状を改善させることが優先されます。
体位を変更することで症状が改善した後に血圧を測定し、状態を把握します。

 

選択肢3. 左側臥位にする。

正解です。
仰臥位低血圧症候群では、左側臥位にすることで下大静脈への圧迫が軽減し、静脈還流が改善します。
これにより、血圧や心拍出量が正常化し、症状が速やかに改善することが期待されます。
体位変更は最初に行うべき適切な対応です。

 

選択肢4. 酸素吸入を行う。

酸素吸入は低酸素症に対する対応ですが、仰臥位低血圧症候群の場合、まずは左側臥位にすることで症状が改善するため、初期対応としては優先されません。

 

まとめ

Aさんの「気分が悪い」という訴えが仰臥位低血圧症候群によるものである場合、最初に行うべき対応は「左側臥位にする」ことです。
NST検査中でも妊婦の体位には注意が必要であり、迅速に対応することができます。

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03

この問題のポイントは、

妊娠末期に起こることがある仰臥位低血圧症候群の病態とその看護を理解することです。

選択肢1. 医師に報告する。

最初に行うことではありません。

選択肢2. 血圧測定を行う。

最初に行うことではありません。

まず仰臥位低血圧症候群を疑い、左側臥位にするのが適切です。

選択肢3. 左側臥位にする。

仰臥位低血圧症候群とは、妊娠末期の妊婦が仰向けになった際、

子宮が下大静脈を圧迫することで、右心房への静脈還流量が減少し、

低血圧になり、気分不良などのの症状が現れるものです。

症状出現時は左側臥位にし下大静脈の圧迫を取り除くことで、

直ちに症状が改善します。

選択肢4. 酸素吸入を行う。

最初に行うことではありません。

まず仰臥位低血圧症候群を疑い、左側臥位にするのが適切です。

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