看護師の過去問
第112回
午前 問119
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問題
看護師国家試験 第112回 午前 問119 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(57歳、男性、無職)は妻(55歳、会社員)と2人で暮らしている。Aさんは、飲酒が原因で仕事での遅刻や無断欠勤が続いたため1年前に職場を解雇された。その後も朝から自宅で飲酒する生活が続き、体調が悪化したため受診し、アルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)とアルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。医師から断酒を指導されていたが実行できず通院していなかった。
Aさんは最近、倦怠感が強く食欲がなく、1週前から飲酒もできなくなった。妻に付き添われて受診した際、外来のトイレで吐血し倒れ食道静脈瘤破裂(rupture of esophageal varices)と診断され入院した。
身体所見:呼びかけに応じるが反応が遅い。腹水や浮腫はない。手指の振戦はない。
体温37.0℃、呼吸数22/分、脈拍98/分、整、血圧92/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>98%(room air)。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
入院当日、Aさんは緊急に内視鏡的治療を受けた。入院7日、Aさんは食道静脈瘤(esophageal varices)治療のため、食道静脈瘤硬化療法を受けることになった。治療前のバイタルサインは、体温36.7℃、呼吸数16/分、脈拍72/分、整、血圧126/70mmHgである。検査所見は、血小板15万/μL、プロトロンビン時間<PT>10秒85%である。入院後は吐血していない。
Aさんが食道静脈瘤硬化療法を受けた直後に注意すべき症状はどれか。
Aさん(57歳、男性、無職)は妻(55歳、会社員)と2人で暮らしている。Aさんは、飲酒が原因で仕事での遅刻や無断欠勤が続いたため1年前に職場を解雇された。その後も朝から自宅で飲酒する生活が続き、体調が悪化したため受診し、アルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)とアルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。医師から断酒を指導されていたが実行できず通院していなかった。
Aさんは最近、倦怠感が強く食欲がなく、1週前から飲酒もできなくなった。妻に付き添われて受診した際、外来のトイレで吐血し倒れ食道静脈瘤破裂(rupture of esophageal varices)と診断され入院した。
身体所見:呼びかけに応じるが反応が遅い。腹水や浮腫はない。手指の振戦はない。
体温37.0℃、呼吸数22/分、脈拍98/分、整、血圧92/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>98%(room air)。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
入院当日、Aさんは緊急に内視鏡的治療を受けた。入院7日、Aさんは食道静脈瘤(esophageal varices)治療のため、食道静脈瘤硬化療法を受けることになった。治療前のバイタルサインは、体温36.7℃、呼吸数16/分、脈拍72/分、整、血圧126/70mmHgである。検査所見は、血小板15万/μL、プロトロンビン時間<PT>10秒85%である。入院後は吐血していない。
Aさんが食道静脈瘤硬化療法を受けた直後に注意すべき症状はどれか。
- 下血
- 胸部痛
- 皮下出血
- 手指の振戦
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題でおさえておくべきポイントは、食道静脈瘤硬化療法についてです。
食道静脈瘤に対して、内視鏡的に静脈瘤に針を刺して、静脈瘤内外に硬化剤を注入し、静脈瘤を硬化します。
各選択肢については、以下のとおりです。
食道静脈瘤に伴い下血が起きるおそれはありますが、
硬化療法後に起こる合併症として、可能性は低いといえます。
硬化療法の合併症として、食道の損傷や裂傷により、胸部痛を起こすおそれがあります。
よって、この選択肢が正解となります。
皮下出血は、硬化療法後に起こる合併症とはいえません。
肝硬変による肝機能低下によって、蓄積されたアンモニアが脳に達し、筋肉や神経をコントロールできなくなると「羽ばたき振戦」が起きることがあります。
しかし、硬化療法による合併症とはいえません。
食道静脈瘤硬化療法の方法や合併症について、十分に理解して覚えておきましょう。
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02
食道静脈瘤硬化療法は、
静脈瘤の血管内あるいは静脈瘤周囲に硬化剤を注入することで、
静脈瘤の血流を遮断する治療です。
食道静脈瘤破裂で起こる可能性はありますが、
食道静脈瘤硬化療法後に起こる合併症としては適切ではありません。
食道静脈瘤硬化療法後に起こる合併症として、
比較的頻度が高く、正しいです。
皮下出血は、
食道静脈瘤硬化療法後に起こる合併症ではありません。
手指振戦は、
食道静脈瘤硬化療法後に起こる合併症ではありません。
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