看護師の過去問
第112回
午後 問38

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問題

看護師国家試験 第112回 午後 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

便の性状と原因の組合せで正しいのはどれか。
  • 灰白色便 ―――――― Crohn<クローン>病(Crohn disease)
  • 鮮紅色便 ―――――― 鉄剤の内服
  • タール便 ―――――― 上部消化管出血
  • 米のとぎ汁様便 ――― 急性膵炎(acute pancreatitis)

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この過去問の解説 (3件)

01

疾患によって、便の性状や色調が特徴的なものがあります。代表例を覚えると共に、原因もしっかり理解しておきましょう。

選択肢1. 灰白色便 ―――――― Crohn<クローン>病(Crohn disease)

Crohn<クローン>病(Crohn disease)は、原因不明の消化器疾患です。水溶性の下痢、時には赤褐色便が見られることがあります。

選択肢2. 鮮紅色便 ―――――― 鉄剤の内服

鉄剤を内服すると、吸収しきれなかった鉄が酸化されることで、黒色の便が見られることがあります。

選択肢3. タール便 ―――――― 上部消化管出血

上部消化管出血では、排泄される過程で血液が酸化されてタール便と呼ばれる黒色の便が見られることがあります。

選択肢4. 米のとぎ汁様便 ――― 急性膵炎(acute pancreatitis)

米とぎ汁様便は、ロタウイルスコレラに罹患した時に見られることがありますが、急性膵炎(acute pancreatitis)では見られません。また、慢性膵炎では、消化吸収不良が原因で脂肪便が見られることがあります。

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02

便は生理的機能が効果的に機能しているかを示します。原因と便の性状を合わせて覚えておきましょう。

選択肢1. 灰白色便 ―――――― Crohn<クローン>病(Crohn disease)

誤りです。灰白色便は胆管がん総胆管結石など、胆汁分泌に障害が起こっている場合にみられます。

選択肢2. 鮮紅色便 ―――――― 鉄剤の内服

誤りです。鉄剤を内服していると、鉄の影響で黒色便がみられます。

選択肢3. タール便 ―――――― 上部消化管出血

正解です。タール便とは血液が混じった黒色様の便です。

選択肢4. 米のとぎ汁様便 ――― 急性膵炎(acute pancreatitis)

誤りです。米のとぎ汁用便はロタウイルスなどの細菌感染症でみられます。

まとめ

便の色と原因は丸暗記ではなく、病態と関連付けるようになると覚えやすくなると思います。

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03

消化器疾患や感染症などは特に、便の性状で患者さんの状態がわかる場合があります。

どのような状態が正常で、異常はどのような性状をいうのか知っておくことが重要です。

選択肢1. 灰白色便 ―――――― Crohn<クローン>病(Crohn disease)

クローン病は、原因不明の大腸や小腸などの粘膜に炎症や潰瘍を引き起こす指定難病です。

水溶性の下痢などがみられます。

選択肢2. 鮮紅色便 ―――――― 鉄剤の内服

鉄剤を内服していると、吸収しきれなかった鉄が酸化され、黒色便として排泄されます。

選択肢3. タール便 ―――――― 上部消化管出血

上部消化管の出血があると、肛門に到達するまでの間に血液が酸化され、黒色便やタール便として排泄されます。

選択肢4. 米のとぎ汁様便 ――― 急性膵炎(acute pancreatitis)

米のとぎ汁様便はコレラやロタウイルスが原因で起こることがあります。

急性膵炎では、そのような便は認められません。

まとめ

今回の問題を通し、便の観察の重要性を学べたかと思います。

その他の症状でもどのような便の性状変化があるのかなども調べられるといいでしょう。

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