看護師の過去問
第112回
午後 問117
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
看護師国家試験 第112回 午後 問117 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(50歳、男性、自営業)は妻(48歳)、長男(23歳、会社員)と3人で暮らしている。3年前から歩行時のふらつきを自覚していたが、日常生活動作<ADL>は自立していた。最近、転倒が多くなり医療機関を受診して頭部CT検査を受けたところ、小脳と脳幹に萎縮を認め、遺伝性の脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)と診断された。Aさんは「母も同じ疾患で亡くなりました。妹が同じ敷地内に1人で暮らしていますが、妹も転ぶことが多くなり、医師の勧めで遺伝子診断を受ける予定です。明日、保健所に難病の医療費助成の申請に行くのですが、保健師に伝えた方がよいことはありますか」と看護師に質問した。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
Aさんは仕事を辞め、妻が自営業を続け1年が経過した。Aさんは歩行器で室内を移動し、日中は1人で過ごしていた。転倒したことをきっかけに、訪問看護を週1回利用することになった。初回の訪問時に、Aさんは「妻が仕事を続けてくれて感謝しています。妻に迷惑はかけられない。妻が食卓に準備してくれた昼食を食べようと起き上がって歩行器に移ろうとしたら、立ちくらみを起こして転んでしまった」と訪問看護師に話した。
訪問看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
Aさん(50歳、男性、自営業)は妻(48歳)、長男(23歳、会社員)と3人で暮らしている。3年前から歩行時のふらつきを自覚していたが、日常生活動作<ADL>は自立していた。最近、転倒が多くなり医療機関を受診して頭部CT検査を受けたところ、小脳と脳幹に萎縮を認め、遺伝性の脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)と診断された。Aさんは「母も同じ疾患で亡くなりました。妹が同じ敷地内に1人で暮らしていますが、妹も転ぶことが多くなり、医師の勧めで遺伝子診断を受ける予定です。明日、保健所に難病の医療費助成の申請に行くのですが、保健師に伝えた方がよいことはありますか」と看護師に質問した。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
Aさんは仕事を辞め、妻が自営業を続け1年が経過した。Aさんは歩行器で室内を移動し、日中は1人で過ごしていた。転倒したことをきっかけに、訪問看護を週1回利用することになった。初回の訪問時に、Aさんは「妻が仕事を続けてくれて感謝しています。妻に迷惑はかけられない。妻が食卓に準備してくれた昼食を食べようと起き上がって歩行器に移ろうとしたら、立ちくらみを起こして転んでしまった」と訪問看護師に話した。
訪問看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
- ベッド上で食事を摂るよう説明する。
- 移乗の介助を妻に依頼するよう勧める。
- 立位でのリハビリテーションを指導する。
- 室内の移動を車椅子に変更することを提案する。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
脊髄小脳変性症では、起立や歩行の不安定が主な症状としてあらわれ、Aさんは転倒のリスクが大きい状態です。
転倒のリスクを軽減できる介入を考えてみましょう。
×:不適切
ベッド上で食事を摂ると、活動量が減り、ADLの低下につながります。
Aさんはまだ自力で移動できるため、安全に移動できる手段を考えるのが適切です。
×:不適切
Aさんは「妻に迷惑はかけられない。」と話しているため、移乗のたびに妻に介助を依頼することは適切ではありません。
また、日中はAさん1人で過ごしているため、1人で安全に移動できる手段を考えるのが適切です。
×:不適切
立ちくらみを起こして転んだAさんに、立位でのリハビリテーションは転倒のリスクが大きくなります。
また、訪問看護師がリハビリテーションの指導をするのは適切ではなく、理学療法士へ依頼するのがよいでしょう。
○:適切
転倒リスクを軽減するためにも、移動は車いすで行うように提案するのが適切です。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
この問題のポイントは、以下の通りです。
遺伝性の脊髄小脳変性のAさんは、歩行器で室内を移動し、日中は1人で過ごしています。立ちくらみを起こして転倒しています。
では、問題を見てみましょう。
ベッド上で食事を摂ることで、移動動作が減りADL低下につながっていきます。脊髄小脳変性症は進行性の疾患ですが、現時点でのAさんは移動は可能な状態です。
安全に移動できる方法を考えることが、大切です。
妻が自営業を続けており、日中は1人で過ごしていることから、毎回妻に移乗の介助を依頼することは困難です。また、「妻に迷惑はかけられない。」と話していることから、妻に依頼するのは適切ではありません。
脊髄小脳変性症は進行性の疾患であり、めまいを起こしたのも疾患の影響と考えられます。立位ではめまいを起こしやすいため、転倒予防の観点から坐位でのリハビリテーションが適切と考えられます。
脊髄小脳変性症は進行性の疾患であり、立位ではめまいを起こしやすくなります。転倒予防の観点から室内の移動を車椅子に変更することは、適切と考えられます。
脊髄小脳変性症は進行性の疾患であり、筋力の低下により転倒したのではないことを分かっておくと解きやすくなります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問116)へ
第112回問題一覧
次の問題(問118)へ