看護師の過去問
第112回
午後 問118

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問題

看護師国家試験 第112回 午後 問118 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。
午前10時、A県内で大規模災害が発生した。A県内の救命救急センターに、家屋等の倒壊現場から救助された傷病者の受け入れ要請があり病院に搬送された。直ちにトリアージが行われた。搬送されてきたBさん(45歳、男性)には頻呼吸が認められ、胸部と背部の痛みを訴え、吸気時に胸郭が陥没し、呼気時には膨隆している。

Bさんに考えられる状態はどれか。
  • 過換気症候群(hyperventilation syndrome)
  • 虚血性心疾患(ischemic heart disease)
  • 腰椎圧迫骨折(lumbar compression fracture)
  • フレイルチェスト<胸壁動揺>(flail chest)

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この過去問の解説 (2件)

01

大規模災害時の対応についての問題です。

Bさんの症状から正しい病態を考え、適切な処置をすることが求められます。

選択肢1. 過換気症候群(hyperventilation syndrome)

×:誤り

過換気症候群とは、精神的不安や極度の緊張から過呼吸となり、血液がアルカリ性に傾くことでさまざまな症状を引き起こす病態です。

Bさんは頻呼吸ではありますが、他に過換気症候群と判断できる情報はありません。

選択肢2. 虚血性心疾患(ischemic heart disease)

×:誤り

虚血性心疾患では、胸部や背部に痛みを生じる場合もありますが、他に虚血性心疾患と判断できる情報はありません。

選択肢3. 腰椎圧迫骨折(lumbar compression fracture)

×:誤り

腰椎圧迫骨折では強い腰の痛みが現れますが、Bさんの症状には該当しません。

選択肢4. フレイルチェスト<胸壁動揺>(flail chest)

○:正しい

フレイルチェスト(胸壁動揺)とは、多発肋骨骨折などにより胸郭が不安定となって正常な呼吸ができなくなることです。通常の呼吸とは逆に、吸気時に胸郭が陥没し、呼気時に膨隆します。

Bさんは家屋の倒壊現場から救助され、特徴的な胸郭の動きもみられるため、フレイルチェストが考えられます。

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02

この問題のポイントは、以下の通りです。

大規模災害が発生し、トリアージを行う場面です。Bさんは頻呼吸が認められ、胸部と背部の痛みを訴え、吸気時に胸郭が陥没し、呼気時には膨隆していることです。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 過換気症候群(hyperventilation syndrome)

過換気症候群とは、心理的要因や身体的要因により過呼吸状態になることです。過呼吸状態が続くと血液中の二酸化炭素濃度が低下し、血液のpHがアルカリ性に傾き、めまい、ふらつき、手足のしびれなどの症状が出現します。

Bさんには頻呼吸が認められていますが、他の過換気症候群の所見は見られていないため、考えにくいです。

選択肢2. 虚血性心疾患(ischemic heart disease)

虚血性心疾患とは、冠状動脈(冠動脈)が血流不足または閉塞によって、心臓の筋肉(心筋)に必要な酸素が行き渡らなくなってしまった状態のことです。狭心症や心筋梗塞のことを指します。

Bさんは、胸部と背部の痛みを訴えていますが、呼吸状態から他の疾患の可能性が高いです。

選択肢3. 腰椎圧迫骨折(lumbar compression fracture)

腰椎圧迫骨折は、腰椎(腰部の脊椎骨)の椎体が外部から圧迫されて骨折した状態です。

Bさんは、背部の痛みを訴えていますが、呼吸状態から他の疾患の可能性が高いです。

選択肢4. フレイルチェスト<胸壁動揺>(flail chest)

フレイルチェストは、胸壁(胸郭)の一部が骨折し、呼吸の制約や胸壁の動揺を引き起こす状態を指します。外傷や事故による胸部の急激な打撃や圧力が胸壁に加わったときに起こります。

Bさんは、吸気時に胸郭が陥没し、呼気時には膨隆していることから、フレイルチェスト<胸壁動揺>と考えられます。

まとめ

大規模災害が発生したときのトリアージ方法やフレイルチェストについて知っていると、解きやすくなります。

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