宅地建物取引士の過去問
平成28年度(2016年)
法令制限 問22

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問題

宅建試験 平成28年度(2016年) 法令制限 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合も、同項の許可を受ける必要はない。
  • 法第2条第3項の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。
  • 法第3条第1項又は法第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。
  • 農業者が、市街化調整区域内の耕作しておらず遊休化している自己の農地を、自己の住宅用地に転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は3

・本問のポイント
本問は農地法の総合問題です。特に正解となる3.の肢はサービス問題です。

・解説

1.この肢を検討するにあたっては、特定承継と包括承継の区別をつけなければなりません。
特定承継の代表例は売買であり、包括承継の代表例は相続です。
特定遺贈(相続財産のうち、特定の財産を指定して条とすることと考えればよいです)は、特定承継に含まれます。
相続人に該当しないものへの特定遺贈は、農地法3条の許可が必要となります。

2.農地保有適格法人の定義は農地法2条3項に要件が定められていますが、あまりに細かすぎるので、「農地保有適格法人」という言葉を知っておけば足ります。
農地保有適格法人の定義から外れる会社は、農地の所有はできませんが、農地を借入れることはできます。

3.問題文のとおりで、正解肢となります。
条文で、「3条、5条の許可を受けないでした売買契約は、その効力を生じない」と規定されていて、この肢が正しい肢となります。

4.4条許可の特例規定ですが、「市街化区域内」と「市街化調整区域」の説明が逆になっています。

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02

正解は【3】になります。

1:農地法第3条1項12 号より、相続による農地の取得では、3条の許可は必要ありません。
それと同じように、包括遺贈の場合や特定遺贈により農地を取得する時でも、3条許可は不要となります。
今回の選択肢では、相続人に該当しない者に対する特定遺贈という場合では、例外なく3条許可を受ける必要があります。

2:農地法第2条3項から、農地所有適格法人以外の法人が、農地を所有することはできないことになっておりますが、借り入れるのは一般法人であっても農地を借り入れることができます。

3:農地法第3条7項より、3条許可を受けずに行った売買契約というのは無効であって、所有権移転の効力は無いものになります。
そのため農地法第5条も同様で、5条許可の場合も同じです。

4:農地法第2条1項より、まずは農地とは、耕作の目的に供される土地のことであり、遊休地や休耕地、耕作放棄地は農地として区分されています。
そして、市街化区域内の農地を農地以外のものに転用する場合では4条許可は不要となり、農業委員会に届け出るだけで大丈夫です。
今回の選択肢では、市街化調整区域内のものであるため、農地法第4条1項の許可が必要となります。

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03

正解:3

1:誤りです。
農地法3条の許可がいらない例外は以下の通りです。

・権利を取得しようとする者が国または都道府県である場合

・土地収用法などにより農地が強制的に収用、使用される場合

・相続、遺産分割、財産分与、包括遺贈、相続人への特定遺贈、法人の合併の場合

相続人でないものにする特定遺贈の場合には、許可は必要となります。

2:誤りです。
農地所有適格法人以外の法人が権利を取得しようとする場合、原則として取得することはできないとされています。
しかし、耕作目的であれば借りることができます。

3:正しいです。
・3条では権利移動の許可
・5条では転用目的の権利移動が必要な場合
について定めています。
どちらも、許可を受けずに転用目的の権利移動を行った場合、それに関わる契約は無効となります。

4:誤りです。
農地を農地以外のものに変える転用について、4条の許可について定められています。
市街化区域は都市化を勧めたいところであるので、その中に農地があるよりも宅地にすることは推奨されるとしています。
許可を受けることに代えて、あらかじめ農業委員会への届出をすれば良いとされています。
本肢では、市街化調整区域となっているところが誤りです。

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04

正解は3です。
<農地法の問題>

①間違いです。
相続人か、相続人に該当しないか、が解答のポイントとなります。
問題文では「相続人に該当しない者に対する特定遺贈」とありますので、この場合3条許可が必要です。
ちなみに、相続人に該当する者に対する特定遺贈であれば、3条許可は不要です。

②間違いです。
農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社であっても、農地の借り入れは可能です。

③正しい内容で、正解肢です。
3条や5条の許可なしに行った売買契約は無効となるので、所有権の移転の効力は生じないということになります。

④間違いです。
「市街化調整区域内」は、4条許可が必要です。
「市街化区域内」では、4条許可ではなく農業委員会への届け出で良いとされています。
この肢では、市街化区域と市街化調整区域を混同していますので間違いということになります。

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