中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
企業経営理論 問7
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和元年度(2019年) 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
経験効果や規模の経済に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 経験効果に基づくコスト優位を享受するためには、競合企業を上回る市場シェアを継続的に獲得することが、有効な手段となり得る。
- 経験効果は、ある一時点での規模の大きさから生じるコスト優位として定義されることから、経験効果が生じる基本的なメカニズムは、規模の経済と同じである。
- 生産工程を保有しないサービス業では、経験効果は競争優位の源泉にならない。
- 中小企業では、企業規模が小さいことから、規模の経済に基づく競争優位を求めることはできない。
- 同一企業が複数の事業を展開することから生じる「シナジー効果」は、規模の経済を構成する中心的な要素の1つである。
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この過去問の解説 (2件)
01
記述の通りです。競合企業を上回る市場シェアを継続的に獲得することで、累積生産量が多くなるため、経験効果に基づくコスト優位を享受できる可能性が上がります。
項番2:不適切です。
経験効果は、ある一時点での規模の大きさから生じるコスト優位ではありません。企業の累積生産量に応じて得られる経験によるコスト優位効果を指します。
項番3:不適切です。
サービス業であっても経験効果が競争優位の源泉になることはありえます。例えば理髪店では、経験によって1日に対応できる顧客数が増えれば、コスト優位を実現することができます。
項番4:不適切です。
中小企業であっても、規模の経済を求めることは可能です。
項番5:不適切です。
シナジー効果は、範囲の経済を構成する中心的な要素の1つです。
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02
経験効果と規模の経済に関する問題です。
経験効果とは、製品の生産において、作業手順の習熟などによって累積生産量が増えるとトータルコストが低減する事象のことをいいます。
以上を踏まえて選択肢の正誤を判定します。
正解です。競合企業を上回る市場シェアを獲得することで、累積生産量を伸ばし、それによってトータルコストを低減できます。
経験効果は累積生産量の増加によって得られる効果ですので、ある一時点の規模の大きさで評価される規模の経済とはメカニズムが異なります。したがって誤りです。
サービス業でも作業の習熟による経験効果はあり得ますので、誤りです。
企業規模が小さくても生産規模が一定以上の場合は規模の経済による競争優位が期待できますので誤りです。
シナジー効果は規模の経済ではなく、範囲の経済が期待できる効果ですので、誤りです。
経験効果と規模の経済に関する問題でした。それぞれの用語の意味とそれぞれが表す内容を正確に理解しておきましょう。
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