第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問27 (電力 問5)
問題文
分散型電源に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問27(電力 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
分散型電源に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は、インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると、系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。
- 分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として、分散型電源の出力抑制や、電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。
- 小水力発電では、河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。
- 洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では、海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。直流送電では、ケーブルを用いて送電する場合でも、定常的な充電電流が流れないため、その補償が不要である。
- 一般的な燃料電池発電は、水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり、負荷変動に対する応答が早い。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題を解くポイントは「分散型電源の仕組みとその特性」です。
それでは問題を見ていきましょう。
正しい記述です。
太陽電池は直流電力を発生するため、交流系統に接続するにはインバータを用いて直流を交流に変換する必要があります。
また、系統の停電時には連系保護装置が動作して電力供給を停止します。
これは、逆潮流を防ぎ、系統の安定性を保つために重要です。
正しい記述です。
通常、電力は配電用変電所から配電線を通って需要家へ供給されます。
しかし、分散型電源が発電量>消費量となると、逆潮流が発生する場合があります。
これを抑制するために、分散型電源の出力抑制や電圧調整を行う必要があります。
正しい記述です。
小水力発電は、川や用水路などの流水を利用する発電方式であり、環境負荷が小さいという利点があります。
正しい記述です。
洋上風力発電は海底ケーブルを通じて送電します。
直流送電が利用される場合もありますが、これは送電損失を抑えられるからです。
直流送電は交流送電と比べて電圧調整がしにくいため、設備構成が異なる点に注意が必要です。
誤った記述です。
この文では「吸熱反応」と記述されていますが、正しくは「発熱反応」です。
水素と酸素の反応は発熱反応であり、エネルギーを取り出して電気を作ることができます。
吸熱反応であれば、むしろエネルギーが奪われ、電気エネルギーを作ることはできません。
水素と酸素の燃料電池における化学反応式は以下のようになります。
H2+1/2O2→H2O
この反応により、水素と酸素の化学エネルギーを電気エネルギーとして利用できます。
分散型電源には、太陽光発電や風力発電などが含まれます。特に、電力系統との接続や電圧調整、逆潮流対策が重要となります。
一言知識
燃料電池の発電効率は約40~60%程度であり、火力発電(約40%)と比べても高効率なエネルギー変換技術です。
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02
分散型電源に関する記述で、誤っているものを選択する問題です。
水素と酸素から水を生成する時の発熱反応が起こります。
発熱反応とは、新しい物質を生成する時に外界へエネルギーを放出する反応をいいます。
燃料電池は、水素と酸素の反応で外界に放出されたエネルギーを電気エネルギーに変換して発電する仕組みになっています。
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