技術士の過去問
平成28年度(2016年)
適性科目 問45
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問題
技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 適性科目 問45 (訂正依頼・報告はこちら)
不当表示や不当景品から一般消費者の利益を保護するための法律が「不当景品類及び不当表示防止法( 以下、「景品表示法」という。 )」である。景品表示法では、商品やサービスの品質、規格などの内容について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより著しく優良であると一般消費者に誤認される表示を「優良誤認表示」として禁止している。このため消費者庁は、商品・サービスの効果や性能に「優良誤認表示」の疑いがある場合、その事業者に表示の裏付けとなる「合理的な根拠」を示す資料の提出を求めることができる。当該資料が提出されない場合、当該表示は不当表示とみなされる。この
「不実証広告規制」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
「不実証広告規制」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 「合理的な根拠」の判断基準の基本的な考え方として、商品・サービスの効果、性能の著しい優良性を示す表示は一般消費者に対して強い訴求力を有し、顧客誘引効果が高いものであることから、そのような表示を行う事業者は当該表示内容を裏付ける合理的な根拠をあらかじめ有しているべきである、としている。この観点から、「提出資料」が当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるためには、次の2つの要件を満たす必要がある。
( i )提出資料が客観的に実証された内容のものであること
( ii )表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること - 客観的に実証された内容のものとは、原則として、「試験・調査によって得られた結果」又は「専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献」のいずれかに該当するものである。
- 当該商品・サービス又は表示された効果、性能に関連する分野を専門として実務、研究、調査等を行う「専門家、専門家団体又は専門機関( 以下、「専門家等」という。 )による見解又は学術文献」を表示の裏付けとなる根拠として提出する場合、
( ア )その見解又は学術文献は、次のいずれかであれば客観的に実証されたものと認められる。
( i )専門家等が、専門的知見に基づいて当該商品・サービスの表示された効果、性能について客観的に評価した見解又は学術文献であって、当該専門分野において一般的に認められているもの
( ii )専門家等が、当該商品・サービスとは関わりなく、表示された効果、性能について客観的に評価した見解又は学術文献であって、当該専門分野において一般的に認められているもの
( イ )特定の専門家等による特異な見解である場合、又は画期的な効果、性能等、新しい分野であって専門家等が存在しない場合等、当該商品・サービス又は表示された効果、性能に関連する専門分野において一般的には認められていない場合には、その専門家等の見解又は学術文献は客観的に実証されたものと認められる。したがって、この場合に事業者は、試験・調査によって表示された効果、性能を客観的に実証する必要はない。 - 生薬の効果など、試験・調査によっては表示された効果、性能を客観的に実証することは困難であるが、古来からの言い伝え等、長期に亘る多数の人々の経験則によって効果、性能の存在が一般的に認められているものがあるが、このような経験則を表示の裏付けとなる根拠として提出する場合においても、専門家等の見解又は学術文献によってその存在が確認されている必要がある。
- 「提出資料」が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるためには、それ自体として客観的に実証された内容のものであることに加え、表示された効果、性能が提出資料によって実証された内容と適切に対応していなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
上記の法律と照らし合わせ、最も不適切なものを選択します。
1.適切です。
消費者庁の不実証広告規制についての解説によると、合理的な根拠を示すものであると認められるためには、
選択肢の二つの項目を満たす必要があると記載されており、正しい内容です。
2.適切です。
上記解説中の「提出資料が客観的に実証された内容のものであること 」の中で、
選択肢の二つのいずれかに該当する必要があると記載されており、
正しい内容です。
3.不適切です。
「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針」において、
(ア)は適切ですが、(イ)が不適切です。
(イ)の場合は、客観的に実証されたものとは認められません。
4.適切です。
「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針」に記載されている通りの内容であり、
正しい記述です。
5.適切です。
「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針」に記載されている通りの内容であり、
正しい記述です。
よって、3が正解です。
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02
<正解>3
[解説]
景品表示法の不実証広告規制についての適否問題です。
消費者庁の「不実証広告ガイドライン」が参考になります。
1から5の記述内容の適否は以下のとおりとなります。
1 適切な記述内容です。
ガイドラインにおいて、
事業者から提出された資料が
表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるためには、
1)提出資料が客観的に実証された内容のものであること
2)表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が
適切に対応していること
の2つ要件を満たす必要があるとされています。
よって、適切な記述内容です。
2 適切な記述内容です。
ガイドラインにおいて、
事業者から提出された資料が
表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるための要件の1つに、
提出資料が客観的に実証された内容のものであること、があります。
この客観的に実証された内容のものとは、
1)試験・調査によって得られた結果
2)専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献
のいずれかに該当するものであることが求められています。
よって、適切な記述内容です。
3 誤った記述内容です。
ガイドラインでは、
「商品・サービス又は表示された効果、性能に関連する分野を
専門として実務、研究、調査等を行う「専門家等」による見解又は学術文献を、
表示の裏付けとなる根拠として提出する場合には、
(1)その見解又は学術文献は、
次のいずれかであれば客観的に実証されたものと認められる。
①専門家等が、専門的知見に基づいて
当該商品・サービスの表示された効果、性能について
客観的に評価した見解又は学術文献であって、
当該専門分野において一般的に認められているもの
②専門家等が、当該商品・サービスとは関わりなく、
表示された効果、性能について
客観的に評価した見解又は学術文献であって、
当該専門分野において一般的に認められているもの
(2)特定の専門家等による特異な見解である場合、
又は画期的な効果、性能等、新しい分野であって専門家等が存在しない場合等、
当該商品・サービス又は表示された効果、性能に関連する専門分野において
一般的には認められていない場合には、
その専門家等の見解又は学術文献は客観的に実証されたものとは認められない。とされています。
(2)の場合には、事業者は試験・調査によって、
表示された効果、性能を客観的に実証する必要があります。
よって、誤った記述内容です。
4 適切な記述内容です。
ガイドラインでは、
「生薬の効果など、試験・調査によっては
表示された効果、性能を客観的に実証することは困難であるが、
古来からの言い伝え等、長期に亘る多数の人々の経験則によって
効果、性能の存在が一般的に認められているものがあるが、
このような経験則を表示の裏付けとなる根拠として提出する場合においても、
専門家等の見解又は学術文献によってその存在が確認されている必要がある。」
とされています。
よって、適切な記述内容です。
5 適切な記述内容です。
ガイドラインでは、
「提出資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものである
と認められるためには、前記のように、
提出資料が、それ自体として客観的に実証された内容のものであること
に加え、表示された効果、性能が提出資料によって
実証された内容と適切に対応していなければならない。」
とされています。
よって、適切な記述内容です。
以上のことから、3が正解となります。
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03
消費者庁の「不実証広告ガイドライン」…①に照らし合わせて確認すると、
内容は以下の通りとなります。
1.正しいです。
資料①の第3 「合理的な根拠」の判断基準 -1 基本的な考え方
に記載の内容と等しいので、適切な記述です。
2.正しいです。
資料①の 第3 「合理的な根拠」の判断基準 -2 提出資料が客観的に実証された内容のものであること
に記載の内容と等しいので、適切な記述です。
3.誤りです。
(イ)の部分が誤りであり、客観的に実証されたものとは認められません。
この場合は、試験・調査によって、表示された効果、
性能を客観的に実証する必要があります。
4.正しいです。
資料①の 第3 「合理的な根拠」の判断基準 -2 提出資料が客観的に実証された内容のものであること- (2)専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献
のウに記載の内容と等しいので、適切な記述です。
5.正しいです。
資料①の 第3 「合理的な根拠」の判断基準 -3 表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること
に記載の内容と等しいので、適切な記述です。
以上から、不適切なのは3なので、3が正解です。
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