技術士の過去問
平成29年度(2017年)
基礎科目「設計・計画に関するもの」 問3
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問題
技術士 第一次試験 平成29年度(2017年) 基礎科目「設計・計画に関するもの」 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
工場の災害対策として設備投資をする際に、恒久対策を行うか、状況対応的対策を行うかの最適案を判断するために、図に示すデシジョンツリーを用いる。決定ノードは□、機会ノードは○、端末ノードは△で表している。端末ノードには損失額が記載されている。また括弧書きで記載された値は、その「状態」や「結果」が生じる確率である。
状況対応的対策を選んだ場合は、災害の状態S1,S2,S3がそれぞれ記載された確率で生起することが予想される。状態S1とS2においては、対応策として代替案A1若しくはA2を選択する必要がある。代替案A1を選んだ場合には、結果R1とR2が記載された確率で起こり、それぞれ損失額が異なる。期待総損失額を小さくする判断として、最も適切なものはどれか。
状況対応的対策を選んだ場合は、災害の状態S1,S2,S3がそれぞれ記載された確率で生起することが予想される。状態S1とS2においては、対応策として代替案A1若しくはA2を選択する必要がある。代替案A1を選んだ場合には、結果R1とR2が記載された確率で起こり、それぞれ損失額が異なる。期待総損失額を小さくする判断として、最も適切なものはどれか。
- 状況対応的対策の期待総損失額は4.5億円となり、状況対応的対策を採択する。
- 状況対応的対策の期待総損失額は5.4億円となり、状況対応的対策を採択する。
- 状況対応的対策の期待総損失額は5.7億円となり、状況対応的対策を採択する。
- 状況対応的対策の期待総損失額は6.6億円となり、恒久対策を採択する。
- 状況対応的対策の期待総損失額は6.9億円となり、恒久対策を採択する。
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この過去問の解説 (3件)
01
デシジョンツリーから損失額が最小になる対策を求める問題です。
状態S1の対策に関わる損失は、
代替案A1だと 5×0.5 + 7×0.5 = 6億円
代替案A2だと 8億円 なので、代替案A1の方が低損失です。
状態S2の対策に関わる損失は、
代替案A1だと 8×0.6 + 10×0.4 = 8.8億円
代替案A2だと 12億円 なので、代替案A1の方が低損失です。
状況対応的対策を取ったとき、
各状態の発生確率と、損失をまとめると、以下の通りです。
状態S1: 確率=0.6 損失=6億円
状態S2: 確率=0.1 損失=8.8億円
状態S3: 確率=0.3 損失=3億円
よって、状況対応的対策を取ったときの期待総損失額は、
6×0.6 + 8.8×0.1 + 3×0.3 = 3.6 + 0.88 + 0.9 = 5.38億円
恒久対策の損失は6.5億円なので、
状況対応的対策を採択する方が、期待総損失額は小さくなります。
以上の内容に最も適するのは2なので、2が正解です。
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02
状況対応的対策については、3つの状態があり、
S1,S2の状態に対して代替案が用意されています。
代替案は選択できるものなので、より低予算となるものを選択します。
それぞれの対策に対し、損失額と確率を足し合わせ、
期待総損失額を算出します。
<状態S1>
代替案A1 = 0.5×5 + 0.5×7 = 6億円
代替案A2は8億円なので、代替案A1の方が損失額が小さくなることから、
A1を選択します。
<状態S2>
代替案A1 = 0.6×8 + 0.4×10 = 8.8億円
代替案A2は12億円なので、代替案A1の方が損失額が小さくなることから、
A1を選択します。
<状態S3>
3億円
<状況対応的対策>
6×0.6 + 8.8×0.1 + 3×0.3 = 3.6 + 0.88 + 0.9 = 5.38億円
恒久対策の損失は6.5億円なので、
状況対応的対策を選択した方が、期待総損失額は小さくなります。
上記の結果より、最も適切な2が正解です。
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03
正解は2です。
ディシジョンツリーをもとに期待(予想)総損失額を小さくするのはどれかを判断する問題です。
計算としてはシンプルで
〇…各項目の値を確率をかけたものを総和する。
□…複数の値のうち、小さいほうを採用する
を繰り返しているだけです。
状態S1
①代替案A1
結果R1は5×0.5=2.5
結果R2は7×0.5=3.5
よって代替案A1=2.5+3.5=6.0
②代替案A2
8.0
A1とA2を比較して小さいA1を採用するので状態S1は6.0
状態S2
①代替案A1
結果R1は8×0.6=4.8
結果R2は10×0.4=4.0
よって代替案A1=4.8+4.0=8.8
②代替案A2
12.0
A1とA2を比較して小さいA1を採用するので状態S2は8.8
状態S3
特に代替案などはないので3.0となる
状況対応対策の値
それぞれの状態に確立をかけて求める
6.0×0.6+8.8×0.1+3.0×0.3=3.60+0.88+0.90=5.38
恒久対策の6.5より低いので、答えは状況対応的対策の期待総損失額は5.4億円となり、状況対応的対策を採択するとなります。
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