介護福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
発達と老化の理解 問69
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問題
介護福祉士国家試験 第27回(平成26年度) 発達と老化の理解 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
A君は、積み木を飛行機に見立ててB君と遊んでいた。大人がA君とB君の目の前で、おやつのジュースを一人150mlずつになるように計った。しかし、同じ大きさのコップがなかったので、それぞれ形の違うコップに入れて与えた。A君にジュースを入れたコップを渡したところ、A君は「B君のほうが量が多い」と言って泣き出した。
ピアジェ(Piaget,J.)によるA君の認知発達段階として、適切なものを1つ選びなさい。
ピアジェ(Piaget,J.)によるA君の認知発達段階として、適切なものを1つ選びなさい。
- 形式的操作期
- 感覚運動期
- 前操作期
- 再接近期
- 具体的操作期
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この過去問の解説 (3件)
01
ピアジェの認知的発達理論(思考発達段階説)は、発達を理解するうえで重要な内容が示されています。
若干難しい考え方ですが、極力わかりやすいよう具体例を交えて解説しましたので、この機会に段階の名称、当てはまる年齢、内容をセットで覚えるようにしましょう。
◆感覚運動期(0~2歳ごろ)
この時期の初めごろは、ボールで遊んでいても目の前から無くなってしまうとまるで初めからなかったかのように振る舞います。
しかし経験を積むことにより段々と「ボールがなくなる→どこかにある」ということが理解できるようになり、探すようになります。
◆前操作期(2~6歳ごろ)
この時期は、言語を理解し始めることにより、言葉で説明されたことでも納得するようになります。ただしまだまだ感覚に頼っている部分も多く、他人の気持ちまで十分に推測できない時期でもあります。
そのため今回の問題のように「同じだと説明されても自分の感覚では同じではないと感じる」という気持ちから、また「相手も少ない方は嫌だろうから自分が我慢しよう」と相手の気持ちに立って物事を考えることができないことから、自己中心的に主張してしまうことが多いです。
◆具体的操作期(6~11歳ごろ)
前段階の前操作期と違い、見た目が違っても同じであるということが理解できるようになる『保存の概念』が確立します。
前段階と違い感覚に惑わされることも減り、相手の気持ちを推測することもできはじめますが、目の前で「AとBは同じ量である」と示されればわかることでも、言葉だけで「AとBは同じ量である」と言われても、まだしっかりとは理解できない時期です。
◆形式的操作期(11~成人ごろ)
これまでの段階でできなかったことができるようになる時期です。ただ目の前に起こっていることだけでなく、思考の中だけでも「こうしたらああなる」ということが理解できるようになります。また「○○したら××するかもしれない」という仮説も立てられるようになるため、自分の世界がどんどん広がります。
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02
1×:形式的操作期とは、抽象的な概念と具体性を照合できる時期です。論理的な思考も出来るようになります。11・12歳以上が当てはまります。
2×:感覚運動期とは、五感の働きに頼る時期です。0〜2歳が当てはまります。
3○:前操作期とは、直感的な感覚に従う時期です。2歳〜7・8歳が当てはまります。物の見え方や、見かけの変化に左右されます。
設問は、コップの大きさで中に入っているジュースの量が違うと考え、見かけに左右されている為、前操作期に当てはまります。
4×:再接近期とは、M・マーラーが「分離・個体化理論」の中で明らかにした段階です。ピアジェの認知発達段階ではありません。
5×:具体的操作期とは、経験と照らし合わせながら調整し始める時期です。7・8歳〜11・12歳が当てはまります。見かけの変化に惑わされない思考が出来るようになります。
5×:
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03
ポイントは実際の量は同じなのに、違う形のコップにジュースを入れたことで、相手の量が多いといって泣き出していることです。
物の見かけがかわるとその量も変わったと判断してしまう自己中心性がみられます。
自己中心性は前操作期の特徴です。
各選択肢については以下のとおりです。
1→形式的操作期は、11歳から成人がこれにあたり、抽象的、仮説的に思考が働くことが特徴です。
2→感覚運動期は0歳から2歳がこれにあたります。「見る・聞く・触る」という感覚と「掴む・落とす・噛む」といった外的運動で外界を知る時期です。
4→再接近期はマーラーの『分離・個体化理論』における分類です。生後16か月から25か月がこれにあたります。
5→具体的操作期は6歳から11歳です。具体的に近いできるものは論理的操作を使って思考します。
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