介護福祉士の過去問
第28回(平成27年度)
人間の尊厳と自立 問2
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問題
介護福祉士国家試験 第28回(平成27年度) 人間の尊厳と自立 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(82歳、女性)は、アルバイト店員の息子(56歳)と二人暮らしである。Aさんは、3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’stype)と診断された。現在、要介護2と認定されて訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を支給限度額まで利用している。Aさんは、身の回りのことに常に見守りや介助が必要であり、一人で外出して道が分からなくなり、何度も警察に保護されている。訪問介護事業所が、アドボカシー(advocacy)の視点からAさんと息子を支援する場合の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 自分の食事も作ってほしいという息子の要望に、対応できないと断る。
- 息子の外出時は、Aさんが部屋から出られないように施錠することを提案する。
- Aさんと息子に相談の上、社会福祉協議会に見守りボランティアの派遣を働きかける。
- 息子に、市内に認知症家族の会があることを知らせる。
- 町内会に、回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせるように働きかける。
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この過去問の解説 (3件)
01
アドボカシーとは、自分の力だけでは主張したり要求したりできない人々を擁護したり、権利を守る、代弁をするなどの意味を持ちます。
アドボカシーは対象と目的によって大きく2種類があります。
「ケースアドボカシー」と「クラスアドボカシー」です。
ケースアドボカシーは、個人や家族のために公的扶助やサービスの利用が出来るように支援することです。対象者の気持ちや要望を理解したうえで行う必要があります。
クラスアドボカシーは、特定の対象者に限定せず地域全体の改善、改革をしていくことです。行政に、社会制度に不備や不具合が生じている現状を伝え、制度や政策の改善を訴えるなどの働きを行います。
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02
アドボカシーというのは「権利擁護」と言う意味であり、利用者の希望に応じて、サービスや公的扶助が利用できるよう支援することを言います。
3は本人と家族の意思を尊重した適切な判断と言えます。
1.アドボカシーの視点から見て、適切ではありません。
2.部屋に閉じ込めることは、人権侵害や虐待に当たるため、正しくありません。
4.いつ事故がおきてもおかしくないという緊急性を考えると、適切とは言えません。
5.本人や家族が希望しているわけではないため、プライバシーの侵害にあたります。
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03
アドボカシーとは、自分の権利や意思を主張することが困難な方の代わりに代理人が権利の主張や擁護をしたり、表明したりすることです。3では、相談の上、見守りボランティアの派遣を働きかけているので、代理人として権利を主張・擁護しています。このため、適切です。
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