介護福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
コミュニケーション技術 問31

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

介護福祉士国家試験 第32回(令和元年度) コミュニケーション技術 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、以下の問いに答えなさい。
〔事例〕
Jさん(20歳、男性)は、中度の知的障害を伴う自閉症( autism )があり、2か月前から就労継続支援B型事業所を利用している。Jさんは、日常生活に関することは自分の感情を伝えることができるが、他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手である。また、社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい。
ある日、事業所で作業中にJさんが興奮して他の利用者を叩(たた)いた。介護福祉職は二人を引き離し、Jさんを個室に連れて行って対応した。
作業終了後、同居している家族にJさんの出来事を伝えた。家族はJさんに、「どうしてそんなことをするの。いつもだめなことばかりして」とイライラした口調で叱った。

Jさんを個室に連れて行ったときの、介護福祉職のJさんに対する最初の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 「人を叩くのは許されません」
  • 「相手の気持ちを想像しましょう」
  • 「自分のしたことを反省しましょう」
  • 「ここで話をしましょう」
  • 「なぜ叩いてしまったのですか」

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

知的障害を伴う自閉症の方へのアプローチに関する事例問題です。

1.「社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい」Jさんが理解するのは難しい発言です。

2.「他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手」なJさんが理解するのは難しい発言です。

3.抽象表現をJさんが理解するのは難しい発言です。

4.環境を変えた場合は今から何をするのかを確認することが必要です。4が正解になります。

5.環境を変えた理由を説明しないと気持ちの整理は始まりません。

参考になった数79

02

自閉症は、強いこだわりや対人関係の困難さを特徴とする発達障害のひとつです。
対人関係では、他者への無関心や感情を読み取れない、空気を読むことが苦手、言葉のウラを読むことが苦手、などの問題が起こる場合もあります。

1.×
社会的な善悪と、自身の行動が結びついていないとのことですので、理解は難しいと思われます。
また、興奮状態であるので、まずは興奮を収めることが必要です。

2.×
自閉症は、相手の気持ちを読み取ったり想像することが難しいといった特徴があります。

3.×
「自分のしたこと」「反省」という表現は曖昧で、Jさんにとってはわかりにくいものです。
自分のしたこととは何か、反省とは何か、わかりやすく伝える必要があります。

4.○
興奮状態にあるので、まずはJさんの落ち着ける環境を整えます。

5.×
興奮している状態では、落ち着いて話ができないうえに更に興奮させてしまう可能性があります。

参考になった数32

03

1.誤りです。
社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しいので、このような指摘は解決には繋がりません。
2.誤りです。
他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解が苦手なJさんにとって、このような指摘は解決には繋がりません。
3.誤りです。
抽象表現はJさんにとって伝わりづらく分かりにくいので不適切です。
4.正しいです。
場所を変える事で落ち着く事もあるので有効です。
5.誤りです。
理由を問い詰めるよりも環境を変える事が優先です。

参考になった数18