介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
介護の基本 問21
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 介護の基本 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
Hさん(75歳、女性、要介護2)は、孫(17歳、男性、高校生)と自宅で二人暮らしをしている。Hさんは関節疾患(joint disease)があり、通所リハビリテーションの利用を開始した。介護福祉職が送迎時に孫から、「祖母は、日常生活が難しくなり、自分が食事を作るなどの機会が増え、家事や勉強への不安がある」と相談された。
介護福祉職の孫への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
介護福祉職の孫への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 「今までお世話になったのですから、今度はHさんを支えてください」
- 「家事が大変なら、Hさんに介護老人福祉施設の入所を勧めましょう」
- 「高校の先生や介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談していきましょう」
- 「家でもリハビリテーションを一緒にしてください」
- 「近所の人に家事を手伝ってもらってください」
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
日常的に家事や家族のお世話をしている、
ヤングケアラーに関する設問です。
高校生の孫と二人暮らしとの記述があることから
その不安に対して、適切な相談窓口へと繋ぐことが大切です。
そのため、3が適切な答えです。
1、2、4、5→家族からの相談に対して、
否定的な発言や、批判ともとれる発言をするのではなく
家族の気持ちに寄り添い、相談を共有し適切な窓口へと繋ぐことで
家族の心身的負担の軽減にもつながります。
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02
この問題では、介護福祉職が、利用者やその家族から相談を受けた時の基本姿勢が理解できているかが問われています。相談を受けた時は、不安や悩みを否定せずに受け止めること、それを解決するためにさまざまな職種と連携することが求められます。
誤答です。この対応では孫の不安を受け止めていることにはならず、返って負担を増大させてしまう可能性があります。
誤答です。孫は日常生活での不安を訴えているのであり、施設入所を検討しているのかまでは問題文からは推測できません。また、Hさんの意向を確認せずに施設入所の検討を行うのは適切ではありません。
正答です。現在の孫の不安を解消するためには、Hさん・孫両者へのサポートが必要と考え、それぞれの関係者である先生と介護支援専門員に相談するという、この選択肢が適切です。
誤答です。『食事を作るなどの機会が増え』ている孫に対して、さらなる負担を求めることは適切ではありません。
誤答です。問題文からは、近隣住民との関係性を推測することはできません。協力してもらえる人がいるか確認することは大切ですが、この時点で近隣住民に助けを求めるよう促すのは適切ではありません。
この問題に登場する孫のように、介護を担わざるを得ない状況で家事や家族の世話を行う18歳未満の子どものことをヤングケアラーと呼びます。近年は増加傾向にあり、核家族化やひとり親家庭の増加、晩婚・晩産化などがその背景にあるとされています。
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03
正答 3
設問のHさんの孫のように、家族にケアを必要とする人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行なっている18歳未満の子供のことをヤングケアラーと言います。
家族の介護により、友人関係が希薄になりがちで孤立してしまう、進学や就職を断念せざるを得なくなってしまうことがあります。
ヤングケアラーは地域や学校で認知されにくく、介護支援専門員(ケアマネジャー)も認識できない場合も多く、問題を深刻化させてしまいます。
1. 誤り。孫に介護負担を負わせてしまう発言であり、ヤングケアラー化に拍車をかけてしまう可能性があります。対応として適切ではありません。
2. 誤り。Hさん自身の意思を無視した発言であり、安に施設入所を進めるのは適切な対応ではありません。
3. 正答。上記したようにヤングケアラー問題は顕在化しにくいため、状況を周囲の方や専門員に把握してもらうことが望ましいと考えます。孫が不安を相談しやすい環境に導いてあげることは正しい選択です。
4. 誤り。自宅で運動を行うことは間違いではありませんが、専門家のアドバイスなしにリハビリテーションを行うことで状況を悪化させてしまうことも考えられます。また、孫への負担を増やしてしまう可能性があるため適切な対応とは言えません。
5. 誤り。設問の状況では近所の方との関係性は不明です。Hさんが近所からの支援を望むのか、近所方の支援が得られるのかは不透明です。そのため、対応としては正しくありません。
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