介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
コミュニケーション技術 問29
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) コミュニケーション技術 問29 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事例〕
Jさん(75歳、男性)は先天性の全盲である。これまで自宅で自立した生活をしてきたが、最近、心身機能の衰えを感じて、有料老人ホームに入居した。施設での生活にまだ慣れていないので、移動は介護福祉職に誘導してもらっている。
ある日、介護福祉職がJさんを自室まで誘導したときに、「いつも手伝ってもらってすみません。なかなか場所を覚えられなくて。私はここでやっていけるでしょうか」と話してきた。
Jさんの発言への介護福祉職の共感的理解を示す対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Jさん(75歳、男性)は先天性の全盲である。これまで自宅で自立した生活をしてきたが、最近、心身機能の衰えを感じて、有料老人ホームに入居した。施設での生活にまだ慣れていないので、移動は介護福祉職に誘導してもらっている。
ある日、介護福祉職がJさんを自室まで誘導したときに、「いつも手伝ってもらってすみません。なかなか場所を覚えられなくて。私はここでやっていけるでしょうか」と話してきた。
Jさんの発言への介護福祉職の共感的理解を示す対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- Jさんの発言にうなずく。
- Jさんの発言のあと沈黙する。
- Jさんの話の内容を短くまとめて伝える。
- Jさんの立場に立って感情を推し測り、言葉で表現して伝える。
- Jさんの気持ちが前向きになるように、励ましの言葉を伝える。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
共感的理解を示すためには、
相手の立場に立つことが必要不可欠です。
そのため、選択肢4が適切です。
1→問題文に『先天性の全盲』とあることから
うなずくことは、コミュニケーションにはなりません。
2→相手の気持ちに共感することが大切なので
沈黙することは共感的理解とはなりません。
3→相手の気持ちを理解し、気持ちを伝える事が大切です。
そのため、利用者の発言をオウム返しすることは
共感的理解にはなりません。
5→利用者を励ますことより、
利用者の立場に立ち共感することが大切です。
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02
共感的理解とは、相手の状況や感情を自分のことのように受け止め、その感情に寄り添うということです。このことを理解していれば、自ずと答えを導き出すことができます。
誤答です。Jさんは全盲です。動作だけでの対応では、Jさんにはなにも伝わりません。相手に合わせたコミュニケーション手段をとる必要があります。
誤答です。この場面で全盲であるJさんに対して適切なのは、言葉(発声)によるコミュニケーションです。沈黙ではJさんに何も伝わらないので、適切ではありません。
誤答です。相手の話をまとめて短い言葉で返すというのは、要約というカウンセリング技法です。ここでは共感的理解について問われているので、この選択肢は適切ではありません。
正答です。設問の通りです。Jさんの立場になってその感情に寄り添い、さらにそれを全盲であるJさんに伝えるためには言葉にして表現する必要があります。
誤答です。励ますことが不適切な訳ではありませんが、この問題では共感的理解について問われているので、この選択肢は適切ではありません。
コミュニケーションは、メッセージが双方向に行き交うことで初めて成立します。どちらかが一方的に発信するだけや、理解しただけでそれを相手に伝えないということであれば、コミュニケーションとしては成立していません。
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03
正答4
共感的理解とは、相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする態度のことです。
1. 誤り。Jさんは全盲の方であり、うなずくだけでは話を聞いているということが認識されない可能性が高いです。介護福祉職が言葉によって反応をしますことが望ましいと考えます。
2. 誤り。Jさんの発言のあと沈黙してしまうと、話を聞き流しているように受け止められてしまいます。1と同様に介護福祉職が言葉によって反応をしますことが望ましいと考えます。
3. 誤り。相手の話を短くまとめて伝えることは「話を聞いている」という態度を示すうえでは有効かもしれませんが、共感を示すには不十分であると考えます。
4. 正答。上記のように、相手の立場に立って、相手の立場を理解することが共感的理解です。Jさんは全盲であるため、言葉で伝える方法が望ましいです。
5. 誤り。Jさんの気持ちが前向きになるように励ますことも必要かもしれませんが、共感的理解には含まれません。
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