介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
生活支援技術 問44

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 生活支援技術 問44 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(78歳、男性、要介護2)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で嚥下障害(えんげしょうがい)がある。自宅で妻と二人暮らしで、訪問介護(ホームヘルプサービス)を週1回利用している。訪問時、妻から、「飲み込みの難しいときがある。上手に食べさせるにはどうしたらよいか」と相談があった。
訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 食事のときは、いすに浅く座るように勧める。
  • 会話をしながら食事をするように勧める。
  • 食事の後に嚥下体操(えんげたいそう)をするように勧める。
  • 肉、野菜、魚などは軟らかく調理するように勧める。
  • おかずを細かく刻むように勧める。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

嚥下障害のある利用者が安全に食事をする為には、

食材を柔らかく調理することが大切です。

そのため選択肢4が適切です。

1→食事の際は、誤嚥のリスクを抑えるために

椅子に深く腰掛け、お尻から膝までが椅子の座面につく位置に座るよう勧めます。

また、その際きちんと両足の裏が地面につく

利用者の身体に合った椅子を使用することが大切です。

2→嚥下する際に会話をすることで、誤嚥につながる恐れがあり危険です。

食事中に会話をする際は、食べ物が口に入ったら会話をやめ

嚥下したのを確認してから、次の食べ物が口に入る前まで会話をし

安全に誤嚥しないよう気を付ける必要があります。

3→食事中の誤嚥を防ぐために、食事前に嚥下体操をするよう勧めます。

5→おかずを細かく刻むと、うまく咀嚼出来ず

飲み込む際にひとかたまりになりにくいため

誤嚥する可能性があります。

そのため、嚥下障害のある利用者に

細かく刻んだおかずは向きません。

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02

正答4

1. 誤り。食事の際は、深く腰掛けた状態で足が床にしっかりとついて、膝が90度に曲がるくらいの位置にすると良いでしょう。

2. 誤り。会話しながらの食事では誤嚥の危険が高くなります。

3. 誤り。嚥下体操は食事の前に行う方が良いです。

4. 正答。柔らかい食べ物の方が噛みやすく、飲み込みやすくなります。

5. 誤り。細かく刻みすぎると、誤嚥の危険が高くなります。

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03

この問題では、嚥下障害がある要介護者が安全に経口摂取を続けていけるための知識を有しているかが問われています。

選択肢1. 食事のときは、いすに浅く座るように勧める。

誤答です。食事をする際の理想的な姿勢は、いすに深く腰掛け両足はしっかりと床につけ(膝が90度になるよういすの高さを調整しましょう)、やや前傾姿勢で顎は少し引いた姿勢です。

選択肢2. 会話をしながら食事をするように勧める。

誤答です。口腔内に食べ物が入っている状態での会話は、誤嚥につながる危険性があります。しかし、会話をしながらの楽しい雰囲気は、食事に対するモチベーションにつながります。会話はしっかり嚥下したのを確認してから行うように助言するのがよいでしょう。

選択肢3. 食事の後に嚥下体操(えんげたいそう)をするように勧める。

誤答です。飲み込みをよくするための嚥下体操は食事の前に行いましょう。

選択肢4. 肉、野菜、魚などは軟らかく調理するように勧める。

正答です。嚥下障害のある高齢者が飲み込みやすいのは、軟らかいもの・とろみのついたもの・なめらかなものなどです。反対に飲み込みづらいのは、水分の多いもの・パサパサなもの・すっぱいものなどです。

選択肢5. おかずを細かく刻むように勧める。

誤答です。きざみ食が有効なのは咀嚼力が低下している要介護者です。口腔内でまとまらず気道に入り誤嚥を起す可能性があるので、細かく刻んだ食べ物は嚥下障害のある要介護者には不向きです。

まとめ

要介護者に嚥下障害がある場合は、食物残渣が気道に入ることにより起こる誤嚥性肺炎や、食事摂取量が減ることによる栄養状態の悪化に気をつける必要があります。

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